【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,899.70  ▼348.58 (6/3)
NASDAQ: 12,012.73  ▼304.16 (6/3)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計で雇用者数の増加が市場予想を上回ったことで金融引き締めへの警戒感が改めて強まり反落となりました。261ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに409ドル安まで下落した後140ドル安程度まで一旦持ち直しましたが、その後引けにかけて再び下げ幅を広げると結局348ドル安の32,899ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も304ポイント安の12,012ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比39万人増となり市場予想を上回りました。また、失業率は前月から横ばいの3.6%となりました。平均時給は前年同月比5.2%増となり市場予想と一致しています。さらに5月の米ISM非製造業景況感指数55.9と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、一般消費財・サービスが3%近く下落し、情報技術とコミュニケーション・サービスも2%以上下げました。一方でエネルギーが1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもアップル(AAPL)がアプリ配信サービス「アップストア」の成長鈍化を指摘されたことで4%近く下落したほか、インテル(INTC)も3%以上下げました。トラベラーズ(TRV)も2%を超える下落となり、ウォルト・ディズニー(DIS)とセールスフォース(CRM)も2%近く下げています。一方でキャタピラー(CAT)が1%以上上昇し、シェブロン(CVX)も原油価格の上昇を受けて1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ち、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が経済悪化を懸念して採用凍結と10%の人員削減が必要だとの認識を示したことで電気自動車のテスラ(TSLA)が9%以上下げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も4%余り下落しました。動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%近く下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下落しています。半導体株も安くマイクロン・テクノロジー(MU)が7%以上下げ、エヌビディア(NVDA)も4%を上回る下落となっています。クアルコム(QCOM)も3%を超える下落となり、ウエスタンデジタル(WDC)も3%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高い2.93%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ130円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を前に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)