【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,120.28  △191.66 (5/25)
NASDAQ: 11,434.74  △170.29 (5/25)

1.概況

米国市場はFOMC議事要旨の公表を無難に通過したことで上昇しました。112ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じ220ドル高余りまで上昇した後伸び悩むと昼過ぎにマイナスとなり174ドル安まで下落しましたが、FOMC議事要旨が市場の想定内で金融引き締めに積極的なタカ派姿勢を強める内容が含まれていなかったことから急速に持ち直すと取引終盤には325ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局191ドル高の32,120ドルで取引を終え4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も170ポイント高の11,434ポイントと反発しています。

2.経済指標等

5月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では大半の参加者がインフレを抑制するため今後数回のFOMCで0.5%の利上げを実施することが適切だとみていることがわかりました。また、4月の米耐久財受注額は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスが3%近く上昇し、エネルギーも2%近く上げました。情報技術も1%以上上昇しています。一方で公益事業とヘルスケアの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が3%余り上げたほか、ボーイング(BA)も2%を超える上昇となりました。ホーム・デポ(HD)も2%近く上げています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が1%を超える下落となり、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、投資ファンドが法的拘束力のある買収提案を準備していると伝わった百貨店のコールズ(KSS)が12%近く上げています。百貨店のノードストローム(JWN)も決算で売上高が市場予想を上回り最終黒字となったことで14%高となっています。住宅建設大手のトール・ブラザーズ(TOL)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで8%近く上昇しました。また、主力ハイテク株が堅調で電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く上げ、動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%以上上昇しました。取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は5-7月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い2.74%となりました。ドル円は127円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で26,817円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)