暗号資産取引所などを手掛ける米Coinbaseが5月10日、2022年1〜3月期決算を発表。総売上高は前年比35%減の11.7億ドル、営業損失は5.5億ドルとなった。
この業績は、暗号資産市場の低迷をそのまま反映したもの。Coinbaseの損益もボラティリティが予想されることは新規上場時の資料にも示していたと再度強調、「予見していたので大丈夫」とアピールした。
月間取引ユーザー数(MTU)は920万人で、前年同期(610万人)比では拡大。取引額は機関向けが前年比で増えたが、リテール(個人向け)が大幅に減少した。
MTUの平均54%、500万人ほどが投資「以外」のプロダクトを使用。一番人気は「ステーキング」と呼ばれるもので、保有する暗号資産に対して最大年率5.75%の利回りが得られるという。
業績が悪化する中で「スーパーボウル」への広告出展も敢行。「Less Talk, More Bitcoin」と題したCMは米国4,000万世帯へのリーチを実現、ブランド認知度を大きく高めた。
「Coinbase NFT」ベータ版を4月に開始。NFTコミュニティからの助言をもとに開発され、ただNFTを購入するだけでなく発見・作成を促し、他の人とつながることを重視した設計としている。
4月にも暗号資産市場の低迷は続き、月間取引ユーザー数890万人と弱含んだ。取引額はおよそ740億ドル。Coinbaseの株価はこの3ヶ月で半減、時価総額は162億ドルに萎んだ。