モトリーフール米国本社、2022年5月8日投稿記事より

主なポイント

・株式市場の調整局面は、投資の絶好のチャンス
・株価が下落しているこれらの3銘柄は極めて革新的で、今が買い時

2030年までに投資家の資金を5倍にするだけのカタリストと目に見えない資産を備えた急成長株3選

初心者であれベテランであれ、投資家であれば2022年に、株価が上昇するのと同様にいとも簡単に下落する可能性があると思い知らされたことでしょう。市場を幅広く網羅したS&P500指数も、126年近い歴史があるダウ工業株30種平均(ダウ平均)も、2022年に入って付けた終値での史上最高値から10%以上下落しています。ハイテク株を中心としたナスダック総合指数の状況はさらに厳しく、11月に付けた最高値から24%も下落しており、先週初めには弱気相場入りが確実となりました。

しかし、短期的な痛みのある所には、長期的に利益を得る機会も存在します。なぜなら、株式市場におけるすべての調整局面や弱気相場は、その後の強気相場によって例外なく帳消しにされてきたからです。革新的な銘柄に割安で投資し、投資テーマを長期的に固持すれば、富を築くチャンスは十分にあります。

以下の3銘柄はいずれも上昇確実銘柄であり、今は市場全体の売り局面の中で割安となっていますが、20万ドルの投資を2030年までに100万ドルにするだけのカタリストと目に見えない資産を備えています。

ニオ(NIO)

投資資金が8年後に5倍になる可能性のある筆頭銘柄は、中国の電気自動車(EV)メーカーのニオです。

ニオに限らず、自動車メーカー各社の株価は苦境に立たされています。半導体の不足や新型コロナウイルスを原因とした供給問題により、ほとんどの自動車メーカーは一部車種で生産縮小を余儀なくされています。ニオも4月の出荷台数はわずか5,074台にとどまり、11月や12月の出荷台数の半分にも届きませんでした。新型コロナウイルスにより国内の一部の省で厳格なロックダウン措置が講じられていることから、ニオは他の多くの自動車メーカーよりも深刻な影響を被っています。

サプライチェーンをめぐる懸念は決して好材料ではありませんが、ここで注目すべきは、ニオが直面する目先の苦戦が需要とは全く無関係ということです。つまり、チャンスを狙っていた投資家にとって、この革新的なEVメーカーを、史上最高値から大幅なディスカウントで購入する機会だということです。

ニオの革新性には2つの側面があります。1つは誰が見ても明らかな、新型車の投入です。例えば、同社のセダン「ET7」と「ET5」の航続距離は、最上級バッテリーオプションの搭載で621マイルに達します。これらの車種はテスラの主力モデルである「モデルS」と「モデル3」と競合しますが、航続距離ではニオの方が勝っています。中国は世界有数の自動車市場であり、ニオが高級セダンやSUVで十分な市場シェアを確保するための態勢は万全です。

ニオが持つもう1つの革新性はそのサービスにあります。同社は2020年8月、EV購入者がバッテリーを充電、交換、アップグレードできる、サブスクリプション型のBaaS(サービスとしてのバッテリー)サービスを発表しました。BaaSを契約すれば、EVの車体価格が割引される特典もあります。BaaSによって目先の売上は若干押し下げられるかもしれませんが、長期的なサブスクリプション売上と初期購入者の顧客ロイヤルティを確保することができます。

ウォール街の予測に基づくと、ニオは2024年までに売上高が4倍に増加し、経常利益が黒字化する見通しです。サプライチェーンをめぐる問題も、2023年には大半が解消されるはずです。そうなれば、2030年までに400%の株主リターンも現実味を帯びてくるでしょう。

アップスタート・ホールディングス(UPST)

クラウドベースで融資プラットフォームを提供するアップスタート・ホールディングスも、2030年にかけて驚異的な売上高/利益の成長が期待されます。

アップスタートに対しては、歴史的高水準にある米国のインフレを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに積極的になっている点を指摘する批判的な見方もあります。融資を基本とするサービスである以上、金利の上昇に伴って融資処理が大幅に滞ることは明らかな懸念要素であり、同社にとって悪材料に他なりません。

しかし、アップスタートには幾つかの切り札があります。何よりも、同社の融資プラットフォームは人工知能(AI)に依拠しています。従来の融資審査には数週間かかることもありますが、アップスタートの融資申請の約70%は完全に自動化され、その場で承認されます。これにより、融資機関の時間とコストが削減されます。

興味深いのは、アップスタートのAIを搭載した融資プラットフォームが、融資機関に悪影響を与えることなく、融資アクセスの民主化に寄与しているということです。アップスタートが承認した融資の平均クレジットスコアは、従来の方法による融資承認の平均クレジットスコアより低いにもかかわらず、延滞率に差はありません。AIを活用した融資プラットフォームがうまくいっていることを考えると、金利が上昇し、処理しなければならない融資申請の件数が減少すれば、銀行はアップスタートに今以上に注目するはずです。

また、アップスタートは自身が融資を行っているわけではなく、売上高の94%を手数料とサービスから得ている点にも注目すべきでしょう。つまり、不況になって延滞が増加したとしても、アップスタートには貸し倒れに備えて資金を確保しておく必要はないのです。

将来に目を向けると、AIを活用した自動車ローン分野への参入も、アップスタートにとってプラスに働くと思われます。自動車ローンの組成市場は、同社がこれまで特化してきた個人向けローン市場の7倍以上の規模があります。アップスタートの持続的な急成長はまだ始まったばかりです。

ピンタレスト(PINS)

20万ドルの投資を2030年までに100万ドルにしてくれるかもしれない3つ目の銘柄は、ソーシャルメディア企業のピンタレストです。

新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、ピンタレストの株価は大きく乱高下しています。パンデミックの初期には、人々が家に閉じこもり、ユーザー数が大幅に増加した影響で株価は急騰しました。ところが、2021年3月末以降に月間アクティブユーザー(MAU)が減少しており、ウォール街はピンタレストの未来に懐疑的になっています。その上、アップルのiOSにおけるプライバシー変更により、アプリのユーザーはデータ追跡をオフにすることが可能になり、ピンタレストのような広告重視のビジネスが阻害されることも懸念されています。

とはいえ、こうした短期的な逆風のどれを取っても、長期投資家を不安にさせるものではありません。例えば、ピンタレストのMAUの総数はピークの4億7,800万人から1年間で4億3,300万人に減少していますが、4~5年という視点で見ると、MAUは着実に増加傾向にあります。言い換えれば、ここ数四半期のMAUの減少は、パンデミックによって一時的に押し上げられた状態から、ユーザー数の長期的な成長トレンドに戻ったにすぎないのです。

さらに、MAUが前年同期比で増加しようと減少しようと、ピンタレストの収益力は全く衰えていません。直近四半期のMAUは前年同期比4,500万人減となりましたが、ユーザー1人当たり平均売上(ARPU)は世界全体で28%増、欧州に限ると40%増という驚異的な伸びとなりました。これは、マーチャント(販売事業者)が割増料金を支払ってもピンタレストのユーザー基盤にアクセスしたいと考えていることを示唆しています。また、同社にとって最大の機会が海外市場にあることも明確に示しています。

アップルのiOSのプライバシー変更も、それほど心配する必要はありません。他のソーシャルメディア・プラットフォームでは、広告主が対象ユーザーを絞るのにある程度の推測が必要になりますが、ピンタレストのプラットフォームはそもそも、ユーザーが興味のある物、場所、サービスを自由かつ喜んで共有することを前提としています。そのため、特定の関心事をターゲットにしたいマーチャントにとって、ピンタレストは極めて有益なのです。

株価は約15ヶ月間にわたって下落傾向にありますが、2030年までに投資資金を5倍にしたいなら、ピンタレストはまさに今が買い時かもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、ピンタレストの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアップル、ニオ、ピンタレスト、テスラ、アップスタート・ホールディングスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下の株を推奨しています。アップルの2023年3月満期の120ドルコールのロング、アップルの2023年3月満期の130ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。