ロッキード・マーチン(LMT)決算:一株利益は6.44ドルで市場予想を上回る

ロッキード・マーチンは、世界で最大規模の防衛システム開発・製造企業である。2001年に米国国防総省と「最新鋭ステルス戦闘機F-35」プログラムの契約を締結後、欧米市場の次世代戦闘機開発で支配的地位を維持している。

同社の最大部門である航空機部門は、F-35プログラムを主な事業とする。その他の事業部門には、シコルスキー・ヘリコプター事業を展開するロータリー・ミッションシステム部門、ミサイル・ミサイル防衛システムの製造を手掛けるミサイル・射撃統制部門、衛星の製造、および、衛星の打ち上げ・サービスを提供する合弁会社United Launch Alliance (ULA)からの持分利益が計上される宇宙部門がある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比8%減の149.64億ドル(市場予想は155.53億ドル)

★1株当たり利益(継続事業ベース)・・・6.44ドル(市場予想は6.21ドル)

4月19日寄り前決算発表。1-3月期決算(第1四半期)では、1株利益は予想を上回ったものの、売上高は予想を下回った。ミサイルや戦闘機などの部門を始め、各部門の売上高が予想を下回った。受注残も前年比8.9%減少。通期についても予想を若干下回る見通しを示している。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

アーク・インベスメントの宇宙関連ETF設定により、同社株は話題となった。西側諸国中心に、国防予算は増加しており、同社には順風だ。利食い先行となったが、三角保ち合いを上抜いた。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ラム・リサーチ(LRCX)決算:一株利益は7.4ドルで市場予想を下回る

ラム・リサーチは、半導体製造装置メーカーである。3D NANDフラッシュ・ストレージや高精度DRAMなど最先端をゆくロジック/ファンドリーなどのチップメーカーにとって重要な工程であるエッチング(化学腐食)、デポジション(薄膜の堆積)、クリーン(ウエハー洗浄)分野に注力している。

主力製品であるKiyo(エッチング)、Vector(プラズマ化学的気相成長成膜)、およびSabre(電解めっき成膜)などをすべての主要地域で販売している。サムスン電子や台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)を主要顧客に持つ。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比5.5%増の40.6億ドル(市場予想は42.5億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・7.40ドル(市場予想は7.52ドル)

1-3月期(第3四半期)の売上高、調整済みEPSがともに予想を下回った。続く第4四半期の売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を下回った。場中では481.45ドルで引けたが、引け後のOTC取引では、475ドル台で推移している(NY時間午後5時時点)。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

不振決算だった。当面底値模索の動きとなろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ユナイテッド航空(UAL)決算:一株損失は4.24ドルで市場予想を上回る

ユナイテッド航空は、米国の大手航空会社である。サンフランシスコ、シカゴ、ヒューストン、デンバー、ロサンゼルス、ニューヨーク/ニューアーク、ワシントンDCなどを拠点(ハブ)空港としている。競合大手に比べより海外旅行に重点を置いたハブ&スポーク型のネットワーク戦略をとる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★営業収入・・・前年同期比235%増の75.7億ドル(市場予想は76.7億ドル)

★1株当たり損失(一部項目を除く)・・・4.24ドルの赤字(市場予想は4.23ドルの赤字)

1-3月期決算(第1四半期)では、1株損益の赤字が予想範囲内だったほか、売上高も予想を下回った。旅客、貨物とも収入が予想を下回った。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

4月20日46.52ドルで引けたが、決算発表後のOTC取引では、50ドル台での推移となっている(NY時間午後5時15分時点)。同業のデルタ航空も、3月は黒字だったとしており、次の四半期に強気見通しだ。経済正常化にともない、業績に反映され始めた。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)決算:一株利益は1.33ドルで市場予想を上回る

プロクター・アンド・ギャンブルは、日用消費財の製造で世界最大手のうちの1社である。1837年に創業、年間売上高は750億ドルを上回る。

タイド(洗濯用洗剤)、シャ-ミン(トイレットペーパー)、パンテーン(シャンプー)やパンパース(おむつ)など21の高い知名度を持つブランド・ラインを有し、各ブランド製品の年間売上高は全世界ベースで10億ドルに及ぶ。選択と集中を進め、最後まで保有していた食品ブランドのプリングルズ(ポテトチップス)を2012年にケロッグに売却した。

連結売上高のおよそ55%を事業拠点を置く米州以外の地域が占め、また、新興国市場がおよそ同売上高の3分の1を構成している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比7%増の193.81億ドル(市場予想は187.27億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.33ドル(市場予想は1.29ドル)

1-3月期決算(第3四半期)では、1株利益、売上高とも予想を上回った。ビューティ部門は予想を下回ったものの、そのほかの部門が堅調だった。また、22年通期の売上高は従来予想の3-4%増から4-5%増に引き上げた。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

米国の昼間のテレビドラマは多くの日用消費財メーカーが広告スポンサーとなっていたためソープオペラと呼ばれた。同社もテレビCMに広告出稿することで築いた高い認知度やブランド力とともに、巧みなマーケティング戦略を用い、世界の人口増によるメリットをフルに享受。今回の好決算を受け、新値超えの動き。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

バンク・オブ・アメリカ(BAC)決算:一株利益は0.8ドルで市場予想を上回る

バンク・オブ・アメリカは、米国最大の金融機関の1つで、2兆5,000億ドル以上の資産を保有している。カスタマー・バンキング、グローバル・ウェルス&インベストメント・マネジメント、グローバル・バンキング、グローバル・マーケットの4主要事業部門からなる。

消費者向け業務には、支店網や預金業務、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードやデビットカード、小企業向けサービスなどがある。メリルリンチ事業は、バンク・オブ・アメリカ・プライベートバンクと同様に、ブローカレッジやウェルス・マネジメント・サービスを提供している。

ホールセール業務には、投資銀行業務、法人向けおよび商業用不動産融資業務、キャピタル・マーケット業務などが含まれる。米国外でも事業を展開している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★調整後の収入・・・前年同期比1%増の232.28億ドル  (市場予想:232.35億ドル)

★1株当たり利益(調整済み)・・・0.80ドル(市場予想0.74ドル)

4月18日寄り前決算発表。1-3月期決算(第1四半期)では、収入は予想に一致したが、調整済みEPSは上回った。トレーディング収入も予想を上回った。債券・為替・商品(FICC)は予想範囲内だったものの、株式が予想を上回った。ロシアを拠点とする企業への直接のエクスポージャーは非常に小さく、引当金を積んで対応したとしている。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

第1四半期決算は利益が13%減少した。ただ、好調な融資事業で世界的な取引の低迷の影響が緩和され、予想ほど大きな減益にはならなかった。決算後、株価は上昇しているが、同行株は以下の通りベアトレンド下にある。42ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション