以前、プロのFX個人投資家のお話を書きました。

その方から今年のこれまでの相場と投資スタイルについて話を聞きました。百戦練磨のトレーダーである彼も今年前半の為替相場にはかなり痛い想いをしてきたとのこと。

先週、日経新聞にあった「FXの「不都合な真実」」という記事をご覧になった方も多いでしょう。「もうけている人は2割」という見出しは衝撃的でありましたが、ある種納得いくものでした。それくらいFXで勝ち続けるという景気のよい話は(WEB上、または雑誌等ではよく見かけるタイトルですが・・・)、実際のところはあまりないのが現実なのです。

今年前半というと、現在も引き続き、ユーロの動向に一喜一憂するマーケットです。個人的には、方向感さえ捉えれば、特に彼のように経験のあるトレーダーであれば、個人投資家特有の「外貨ロング偏り」になることもないので稼ぎどころなのかと思っていました。
ところが相場の動きが極端、かつ速いため、絶対届かないと思うストップロスがついてしまう、トレンドに乗ってポジションを取りなおせば逆に動き「往復ビンタ」になることも多々・・・とのことでした。

「負けると取り返したい一心で焦ってしまった」
プロでも心理的に追い込まれてしまうとこうした失敗をしてしまうものなのですね。

マーケット自体の厚み、流動性、動き方などが変わってきたのかを聞いたところ、為替市場がプロだけのものだった時代とは大きく異なってきているとのこと。
動きの予測がつきにくい、流動性があった上で大きく動くのか、単にマーケットが「薄く」なっているのか区別がつきにくい...等々。
それだけ知識や経験が様々な個人投資家が市場で存在感を示しているということなのでしょう。

この点については長くブローカー等インターバンクに関わってきた方と話をしたときも同様の発言を聞きました。

さて、件のプロ投資家の方は5月以降については、過去の負けを取り返しているそうです。

ご自身の投資スタイルを徹底して見直したとのことでした。

● レバレッジをできる限り小さくする

● ストップロスのオーダーを以前よりずっと近くに置く

● 1回のトレードの利益目安を小さくする

● トレードする通貨ペアを少なくする(メジャーなものに限定)

こうしないと「怖くて眠れない」とのことでした。
現在のような相場の動きの速い市場に参戦するときにはぜひ参考にしていただきたいですね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー