【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,818.27  △139.92 (4/1)
NASDAQ: 14,261.50  △40.98 (4/1)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計で堅調な労働市場が示されたことから消費関連株の一角に買いが入り3日ぶりに反発しました。62ドル高でスタートしたダウ平均は伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎに140ドル安まで下落しましたが、その後持ち直しプラスに転じ引けにかけてやや上げ幅を広げると結局139ドル高の34,818ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント高の14,261ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は43万1000人増に止まり市場予想を下回りました。しかし、2月の雇用者数が67万8000人から75万人へと上方修正されたほか、1月の雇用者数も48万1000人から50万4000人へと上方修正されています。また、失業率は前月から0.2ポイント低下の3.6%と市場予想を上回る改善となり、新型コロナウイルスがまん延する直前の2020年2月以来の低水準となっています。さらに3月の米ISM製造業景況感指数は57.1と前月から低下し市場予想も下回りました。2月の米建設支出も前月比0.5%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、不動産が2%高となったほか、公益事業と生活必需品、素材も1%以上上昇しました。一方で資本財・サービスと金融、情報技術の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とビザ(V)が2%を超える上昇となったほか、メルク(MRK)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ウォルマート(WMT)、コカ・コーラ(KO)、トラベラーズ(TRV)も1%以上上げています。一方でインテル(INTC)が3%近く下げ、前日に業績の先行き不透明感から大きく下げたウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%安となりました。また、キャタピラー(CAT)も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ちクアルコム(QCOM)が4%近く下げ、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)も2%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米雇用統計で堅調な労働市場が示されたことから0.04%高い2.38%となりました。また、金融政策の影響を受けやすい2年物国債の利回りが0.13%高い2.46%となったことから終値ベースで2019年8月以来の逆イールド(長短金利の逆転)となっています。ドル円は122円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日から東証の市場区分が変更されます。これまでの1部、2部、ジャスダック、マザーズの4区分がプライム、スタンダード、グロースへと移行します。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)