【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,861.24  △153.30 (3/25)
NASDAQ: 14,169.30  ▼22.54 (3/25)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は原油価格や長期金利の上昇を受けて石油株や金融株に買いが入り続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て反落となりました。5ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じ上げ幅を広げるとまもなくして234ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと上げ幅を縮めしばらくは前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりました。

しかし、取引終盤に買いが優勢になると引けにかけて上げ幅を広げ結局153ドル高の34,861ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も22ポイント高の4,543ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は22ポイント安の14,169ポイントとなりました。

2.経済指標等

3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は59.4と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。2月の中古住宅販売仮契約指数も前月比4.1%低下の104.9となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、公益事業と金融、不動産、素材も1%以上上げました。一方で情報技術と一般消費財・サービスの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもトラベラーズ(TRV)とシェブロン(CVX)が2%近く上昇したほか、IBM(IBM)とハネウェル・インターナショナル(HON)、ナイキ(NKE)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、メルク(MRK)も1%以上上げ、スリーエム(MMM)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ダウ(DOW)、コカ・コーラ(KO)も1%近く上昇しています。一方で5銘柄が下げ、ホーム・デポ(HD)とセールスフォース・ドットコム(CRM)が1%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、長期金利の上昇を受けて大手金融株が堅調でウェルズ・ファーゴ(WFC)が2%を上回る上昇となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も1%以上上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演で利上げを巡る決定は状況次第だが0.50%の利上げが適切な場合は実施すべきだと述べたこともあり0.11%高い2.48%となりました。一時2.50%と2019年5月以来の高水準を付ける場面もありました。ドル円は122円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となったことから堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持し、200日移動平均線(先週末時点で28,274円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)