先週、税金関係は証券会社が代行してくれる特定口座(源泉徴収あり)において、あえて確定申告をすることのメリットをご紹介しました。
この特定口座は上場株式等(上場株式、上場REIT、上場ETFなど)・公募株式投資信託の投資にのみ利用できる口座ですから、他の投資については別途対応が必要です。

現在、個人投資家のみなさまは、様々な投資をされており、中でもFX投資は大変人気がありますよね。FX投資の場合は、年間の利益が20万円を超えた場合は確定申告が義務となります。

FX投資では20万円以上の利益が出ているけれど、株式投資で損が出ているから、自身の損益としてはマイナス...という場合も、FX投資の利益は「雑所得」、株式投資の利益は「譲渡所得」と所得区分が異なり、税制も異なるためにそれらの損益は通算できないので、FXの利益分は申告しなければなりません。

FX投資の税制については2011年12月にも一度ご紹介していますので、ご参考までに・・・。
第253回 FXの税制が変わる! FX投資には店頭FX取引(FX会社相対のFX)と取引所FX取引(大証FX)という2種類が存在します。店頭FX取引は「店頭デリバティブ取引」と言われるグループに属し、CFD取引もこの仲間で、取引所FX取引の方は「取引所取引」のグループで、先物・オプション取引などが仲間です。

この「店頭デリバティブ取引」と「取引所取引」の税制上の扱いが、今年の1月から一本化され、一律20%の申告分離課税(雑所得)となったのです。
(昨年までは両者とも所得区分は「雑所得」ながら、店頭デリバティブ取引は総合課税の雑所得、取引所取引は申告分離課税の雑所得でした。)

今年の取引分からは店頭FX、大証FX 、CFD、先物・オプションなどの損益を全て通算することができるようになり、また損失が出た場合はその金額を翌年から3年間に渡り繰越控除することが可能となります。もちろん、その間継続して確定申告が必要です。

損失の3年間に渡る繰越控除といえば、先週の特定口座の確定申告でもご紹介していますが、前回ご紹介したのは「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の特例」という「譲渡所得」の特例に基づくものです。
FX等に係る税制は、上記の通り「雑所得」ですので、譲渡所得とは損益通算はできないことには変わりありませんし、FXに係る税制の一本化は今年分からですから、昨年の取引分については、店頭FXの利益に対しては総合課税(15%~50% :所得税・住民税合計)です。

所得税の確定申告は今週の3月15日までです。どうぞお忘れなく!

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー