東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を支えに小幅に続伸となりました。79円安の25,228円で寄り付いた日経平均は直後に88円安の25,219円まで下落した後切り返すとプラスに転じ9時40分前に116円高の25,423円まで上昇するなど昨日の終値を挟んで一進一退の展開となり77円高の25,385円で前場を終えました。122円高の25,430円でスタートした後場の日経平均は直後に133円高の25,441円まで上昇した後上げ幅を縮めると結局38円高の25,346円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

2022年1月期の決算を発表した三井ハイテック(6966)が21.4%上昇しストップ高となりました。ハイブリッド車や電気自動車の性能を左右する部品のモーターコアの売り上げが好調で2023年1月期の営業利益が前期比で36.4.%増の204億円となる見通しを発表し市場予想を上回ったことで買いを集めました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も3.6%高となりました。手薄だった九州や関東、北海道エリアを中心に店舗網を拡大し原油価格の高騰や円安の進行に伴う商品の輸入コストの増加を吸収し第1四半期の営業利益が前年同期比で5.9%増となったことを好感して買いが入りました。日機装(6376)も7.8%高となりました。石油ガスのプラント向けポンプを手掛ける子会社の株式を譲渡し譲渡益約320億円を計上することなどから通期の純利益の見通しを58億円から150億円に引き上げたことで大幅高となりました。スポーツ用品大手のヒマラヤ(7514)も冬場の気温が平年より低く降雪にも恵まれスキー・スノーボード用品や防寒衣料などの販売が好調で通期の営業利益の見通しを上方修正したことから4.5%高となっています。

一方で原油価格の下落を受けて石油関連株が安く、資源開発大手のINPEX(1605)が6.8%安となり、石油元売り大手の出光興産(5019)も5.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は38円高となりました。118円台前半と約5年ぶりの円安水準となったことが支えとなり買いが優勢となりました。しかし、指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンクグループ(9984)などが大幅安となったことなどが重石となり前場は一時マイナスとなるなど一進一退の展開で方向感に欠けました。また、後場はプラス圏での推移となりましたが、上値は限定的で伸び悩むと節目の25,500円を超えることができず上げ幅を縮めました。日本時間の17日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が判明することもあり売り方も買い方も動きが鈍くなりやすいともいえますが、こうしたなかで明日も買いが優勢となった場合には25,500円を上回って水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分に2月の米卸売物価指数(PPI)と3月のニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)