東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。195円安の25,495円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に大きく下げ幅を広げると前引け間際に639円安の25,051円まで下落し625円安の25,064円で前場を終えました。さらに下げ幅を広げ671円安の25,019円でスタートした後場の日経平均は12時40分前に723円安の24,966円まで下落しましたが、その後引けにかけて持ち直し節目の25,000円を回復すると結局527円安の25,162円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.8%安となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が一時7.5%安となり昨年来安値を更新しました。昨日の米国市場でハイテク株の下げが目立ったことに加えて、香港市場で出資先のアリババ集団が大幅安となっていることが嫌気されました。また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える下落となったことで半導体製造装置関連銘柄が安く、東京エレクトロン(8035)が2.7%安、レーザーテック(6920)が9.0%安、アドバンテスト(6857)が4.6%安、ディスコ(6146)も4.4%安となりました。くら寿司(2695)も8.5%安となりました。広告宣伝費の増加や北米事業での原料高により第1四半期の営業利益が前年同期比で22.4%減と大幅な減益となったことで売りが膨らみました。
一方で積水ハウス(1928)が一時3.7%高となりました。新型コロナウイルス禍の新たな生活様式に対応した戸建て住宅の販売やリフォームが国内で好調で2022年1月期の営業利益が大幅な増益となり過去最高を更新したことや、自己株式を除く発行済み株式数の2.22%にあたる1500万株と300億円を上限とする自社株買いを発表したこともあって上げ幅を広げる場面がありました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると引けは0.4%安となっています。さらにプラント建設大手の日揮ホールディングス(1963)や千代田化工建設(6366)が大幅高となりました。米エネルギー大手のセンプラ・インフラストラクチャーが米ルイジアナ州のLNGプラント「キャメロン」の年産能力を約675万トン高めて年産1900万トンにすると伝わるなか、今後LNGプラントの建設が増えるのではとの思惑から買いを集めました。日揮ホールディングスが10.6%高、千代田化工建設も14.3%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は527円安となりました。米消費者物価指数が約40年ぶりの高い伸びとなったことやロシアとウクライナの外相会談に進展がみられなかったことなどから昨日の米国市場が反落したことで売りが優勢となり、昨日に大きく上げた反動に加えて、週明けの14日が高値を付けた昨年9月14日から6ヶ月で高値期日となることもあって下げ幅を広げました。4日間で1,800円以上下げた後に昨日は1,000円近く上げ、そして本日は一時700円以上下げるなど値動きの荒い相場が続いていますが、利上げが見込まれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え来週もウクライナ情勢や原油価格などの動向に神経質な展開となりそうです。なお、日本時間の12日午前零時には3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)