東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて5日ぶりに大幅反発となりました。日経平均は390円高の25,108円でスタートすると寄り付きをほぼ安値に上げ幅を大きく広げ11時過ぎに979円高の25,697円まで上昇し950円高の25,667円で前場を終えました。879円高の25,597円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎに1,002円高の25,720円まで上昇した後も高値圏で堅調に推移すると結局972円高の25,690円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

116円台前半まで円安が進んだことで自動車株が高くトヨタ(7203)が5.4%高、日産(7201)が8.6%高、ホンダ(7267)が4.4%高、マツダ(7261)が5.6%高、SUBARU(7270)も4.4%高となりました。米国株高を受けて安全資産とされる米国債に売りが出て米長期金利が上昇したことでメガバンクも高く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が3.8%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.4%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も3.3%高となりました。生保株も買われ第一生命ホールディングス(8750)が5.7%高、T&Dホールディングス(8795)も6.4%高となりました。

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%近く上昇したことで日本市場でも半導体関連株が買われ東京エレクトロン(8035)が4.8%高、レーザーテック(6920)が5.6%高、SCREENホールディングス(7735)が3.6%高、アドバンテスト(6857)が3.9%高、信越化学工業(4063)が9.7%高、SUMCO(3436)も3.7%高となりました。

また、主力銘柄に見直し買いが入りソニーグループ(6758)やパナソニック(6752)、リクルートホールディングス(6098)などが大幅高となり、ソニーグループが8.0%高、パナソニックが6.9%高、リクルートホールディングスも8.6%高となりました。さらに原油価格が大きく下げたことで燃料などのコスト増による収益悪化懸念が後退したことから日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が6.7%高、ANAホールディングスも5.5%高となりました。

一方でコスモエネルギーホールディングス(5021)が11.9%安となりました。筆頭株主であるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドが保有する株式すべてを市場で売却すると発表したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は972円高となりました。アラブ首長国連邦(UAE)がOPEC加盟国に原油の増産を促していると伝わり原油価格が大幅安となったことでインフレ懸念が後退し昨日の米国市場が大幅反発となったことで買いが優勢となりました。昨日までの4日間で1,800円以上下げていたことや、25日移動平均線との乖離率もマイナス7.5%まで開き短期的に売られ過ぎとなっていたこともあって上げ幅を大きく広げました。この4日間の下げの半分以上を一気に取り戻す格好となったことで下値への警戒感は一旦和らぎそうですが、ウクライナ情勢や原油価格の動向に神経質な展開が続くなかでここからさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数と2月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)