【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,794.66  ▼96.69 (3/3)
NASDAQ: 13,537.94  ▼214.08 (3/3)

1.概況

米国市場はウクライナ情勢の緊迫化が引き続き相場の重石となるなかハイテク株を中心に売りが出て反落となりました。一日を通して一進一退の展開となったダウ平均は81ドル高でスタートすると朝方に287ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスに転じ昼前に249ドル安まで下落しました。その後再びプラスとなり午後に入って170ドル高近くまで上昇しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めマイナスに転じると結局96ドル安の33,794ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も214ポイント安の13,537ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米ISM非製造業景況感指数は56.5と前月から低下し市場予想も下回りました。2021年10-12月期の米労働生産性指数改定値も年率換算で前期比6.6%上昇しましたが市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の21万5000件となり市場予想を上回る改善となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業と不動産が1%を超える上昇となっています。一方で4業種が下げ、一般消費財・サービスが2%を上回る下落となったほか、情報技術も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では欧州各国やロシアが航空会社に自国の領空飛行を禁止する措置を決めたことで航空機の受注が落ち込むとの懸念からボーイング(BA)が4%以上下げ下落率トップとなったほか、ハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%を超える下落となり、インテル(INTC)も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が4%を上回る下落となり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%余り下げました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も2%以上下落しています。また、半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が5%を上回る下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%以上下げています。エヌビディア(NVDA)とクアルコム(QCOM)も2%以上下落しました。さらにシティグループ(C)が投資判断の引き下げを受けて3%を超える下落となっています。一方で家電量販店のベストバイ(BBY)が長期の業績見通しと増配を好感した買いで9%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.84%となりました。ドル円は115円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。日経平均は節目の26,500円を割り込みそうですが、米雇用統計の発表を控えて様子見となりやすいなかで下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)