【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,891.35 △596.40 (3/2)
NASDAQ: 13,752.02 △219.56 (3/2)
1.概況
米国市場はロシアがウクライナとの停戦協議を再開する意向を表明したことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会での証言で今月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを支持する提案をしたいと明言したことで大幅利上げへの懸念が後退したことなどから大幅反発となりました。84ドル高でスタートしたダウ平均は大きく上げ幅を広げ午後に718ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、堅調に推移すると結局596ドル高の33,891ドルで取引を終え3日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント高の13,752ポイントと反発しています。
2.経済指標等
2月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は47万5000人増となり市場予想を上回りました。また、米連邦準備理事会(FRB)は米地区連銀経済報告(ベージュブック)で1月中旬以降の米経済活動が緩やかから穏やかなペースで拡大したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融とエネルギー、素材、情報技術、資本財・サービスが2%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はビザ(V)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が5%以上上げ上昇率トップとなったほか、インテル(INTC)も4%を超える上昇となりました。また、ダウ(DOW)とトラベラーズ(TRV)も3%を上回る上昇となり、シェブロン(CVX)とシスコシステムズ(CSCO)も3%近く上げました。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高くマイクロン・テクノロジー(MU)が8%余り上げ、ウエスタンデジタル(WDC)も4%を超える上昇となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とクアルコム(QCOM)も4%近く上げ、エヌビディア(NVDA)も3%以上上昇しています。さらにフォード・モーター(F)が成長分野の電気自動車事業へのシフトを加速する経営戦略を好感する買いが入り8%を超える上昇となっています。一方で電気自動車のリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)は値上げによる顧客離れを懸念した売りで13%を超える下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利はパウエルFRB議長が米下院での証言で次回のFOMCで0.25%の利上げを支持する提案をしたいと述べたことを受けて0.13%高い1.87%となりました。ドル円は115円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日もウクライナ情勢の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)