【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,294.95 ▼597.65 (3/1)
NASDAQ: 13,532.46 ▼218.94 (3/1)
1.概況
米国市場はロシアとウクライナの戦闘が激化するなかウクライナ情勢の緊迫化が引き続き相場の重石となり大幅下落となりました。79ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げると昼過ぎに784ドル安まで下落しましたが、持ち直すと取引終盤には460ドル安程度まで一旦下げ幅を縮めました。しかし、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局597ドル安の33,294ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も218ポイント安の13,532ポイントとなり4日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
2月の米ISM製造業景況感指数は58.6と前月から上昇し市場予想も上回りました。1月の米建設支出も年率換算で前月比1.3%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、金融が3%を超える下落となり、素材も2%以上下げました。また、情報技術も2%近く下落し、資本財・サービスと一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。一方でエネルギーが1%高となっています。
4.個別銘柄動向
決済網からロシアの複数の銀行を排除する方針を明らかにしたビザ(V)が3%以上下げたほか、同業のアメリカン・エキスプレス(AXP)も8%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、欧州市場で銀行株が売られるなか米長期金利の低下もあって金融株が安くウェルズ・ファーゴ(WFC)が5%を超える下落となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も4%近く下げました。ゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)、モルガン・スタンレー(MS)も3%以上下げています。また、ハイテク株も安くフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が3%を上回る下げとなり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%余り下落しました。さらに半導体株も下げが目立ちアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7%を超える下落となり、クアルコム(QCOM)も5%近く下げました。エヌビディア(NVDA)も3%を超える下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%近く下げています。
一方で自社株買い枠を従来計画の2倍に引き上げると発表したシェブロン(CVX)が原油価格の上昇もあって4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで10%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い1.74%となりました。ドル円は114円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。日経平均は節目の26,500円を割り込みそうですが、こうしたなか本日もウクライナ情勢の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)