【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,892.60  ▼166.15 (2/28)
NASDAQ: 13,751.40  △56.78 (2/28)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は欧米がロシアの銀行を国際決済網の国際銀行間通信協会(SWIFT)から締め出す方針を打ち出したことなどで3日ぶりに反落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に買いが入り3日続伸となりました。188ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に540ドル安近くまで下落した後ロシアとウクライナの停戦協議進展への期待から昼前に95ドル安まで下げ幅を縮めましたが、協議の内容を双方が持ち帰って検討すると伝わると午後に入って再び下げ幅を広げ589ドル安まで下落しました。しかし、ハイテク株に買いが入り引けにかけて急速に下げ幅を縮めると結局166ドル安の33,892ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も10ポイント安の4,373ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は56ポイント高の13,751ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は56.3と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、不動産と金融、生活必需品、素材が1%以上下落しています。一方でエネルギーや資本財・サービスなどの4業種が上げ、エネルギーは2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

米長期金利の低下を受けて大手金融株が安く、JPモルガン・チェース(JPM)が4%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、シティーグループ(C)とモルガン・スタンレー(MS)も4%以上下げています。また、ゴールドマン・サックス(GS)も2%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄でJPモルガン・チェースに次ぐ下落率となっています。一方で軍需関連株が高くロッキード・マーチン(LMT)が6%近く上げたほか、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も4%を超える上昇となっています。さらに電気自動車のテスラ(TSLA)が7%を上回る上昇となりました。パナソニック(6752)がテスラの要請を受けて開発していた新型電池を2023年度中に量産すると発表したことで期待が高まりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.14%低い1.82%となりました。ドル円は115円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均はロシアへの制裁強化を受けて下落となりましたが、日本市場はロシアへの制裁強化を昨日の相場で既に織り込んでいることから新たな売り材料になりにくく本日は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日もウクライナ情勢の動向に神経質な展開となりそうです。また、本日は日本時間の10時30分や10時45分に2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)