東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続落となりました。日経平均は168円安の26,281円で寄り付くと9時10分過ぎに92円安の26,357円まで戻しましたが、上値は重く下げ幅を広げると10時20分過ぎに326円安の26,122円まで下落し288円安の26,161円で前場を終えました。

一段安となり節目の26,000円を割り込み490円安の25,959円でスタートした後場の日経平均は13時20分前に673円安の25,775円まで下落した後押し目買いが入り持ち直しましたが、26,000円を下回って推移すると結局478円安の25,970円で取引を終え昨年来安値を更新しています。

こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って昨年来安値を更新し、東証マザーズ指数は4.2%安となっています。

2.個別銘柄等

住友金属鉱山(5713)が4.2%高となりました。チリにあるシエラゴルダ銅鉱山の権益を譲渡したのを反映して2022年3月期の年間配当計画を1株当たり258円とし従来計画の222円から36円引き上げると発表したことを好感した買いが入りました。

ノーリツ鋼機(7744)も23.0%上昇しストップ高となりました。子会社で医療データ分析を手掛けるJMDC(4483)の一部株式を1株当たり6,000円でオムロン(6645)に譲渡することによる株式売却益を計上することから通期の純利益の見通しを57億円から977億円に上方修正したうえ、110円の特別配当を実施し年間配当金を従来の40円から152円に引き上げるとしたことで買いを集めました。JMDCもオムロンとの資本業務提携を好感した買いで一時7.1%高となっています。

さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのがグリー(3632)や四国電力(9507)で、グリーが目標株価の引き上げを受けて10.2%高となり、四国電力も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.6%高となっています。

一方でソフトバンクグループ(9984)が6.8%安となりました。出資するアリババ集団が傘下の東南アジアEC大手のラザダのスピンオフと新規株式公開を視野に入れた資金調達交渉を打ち切ったと伝わったことから香港市場で大幅安となったことでソフトバンクグループにも売りが出ました。また、地政学リスクの高まりを受けて旅行会社のオープンドア(3926)やエアトリ(6191)エイチ・アイ・エス(9603)などが安く、オープンドアが10.0%安、エアトリが8.1%安、エイチ・アイ・エスも4.8%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国市場が大幅続落となったことや、ウクライナ情勢が一段と緊迫化したことを受けて478円安となり昨年来安値を更新しました。前場は先月27日に付けた昨年来安値(26,170円)を下回ったところで下げ渋る様子もみられましたが、昼休み時間中にロシアのプーチン大統領がウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めたと発表したと伝わると後場に一段安となり節目の26,000円を割り込むと、ロシア軍がウクライナの軍事施設へミサイル攻撃を開始したと伝わったこともあって一時は670円以上下げました。そのため下値への警戒感が一段と高まりますが、5日間で1,500円近く下げたこともあり明日以降の自律反発に期待したいところです。

なお、日本時間の22時30分に2021年10-12月期の米GDP改定値と米新規失業保険申請件数が発表されるほか、25 日の午前零時には1月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)