東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。350円安の26,771円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分弱で573円安の26,549円まで下落しましたが、9時50分頃から急速に下げ幅を縮めると10時40分に123円安の26,998円まで持ち直しました。しかし、節目の27,000円を前に上値が押さえられるとやや下げ幅を広げ196円安の26,926円で前場を終えました。161円安の26,960円でスタートした後場の日経平均は13時10分に242円安の26,879円まで下落した後やや戻すと26,900円を小幅に上回って推移し結局211円安の26,910円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は2.8%安となり連日で昨年来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
シャープ(6753)が10.1%安となり昨年来安値を更新しました。持ち分法適用会社で液晶パネル工場運営の堺ディスプレイプロダクトの完全子会社化を目指すと発表しましたが、堺ディスプレイプロダクトが3期連続の最終赤字となっていることから子会社化による業績への悪影響を懸念した売りが出ました。大幸薬品(4574)も9.1%安となりました。空間除菌剤のクレベリンの販売が計画を大きく下回ったことなどで2021年12月期の営業損益が49億円の赤字となり会社計画の20億円の赤字を上回る赤字となったことを嫌気した売りが出ました。
また、投資判断や目標株価の引き下げを受けて昨年来安値を更新したのがナブテスコ(6268)やSUMCO(3436)、クボタ(6326)で、ナブテスコが投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時6.7%安となり、SUMCOも投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時7.3%安となりました。クボタは目標株価の引き下げを受けて一時4.1%安となっています。さらにマザーズ市場でもライフネット生命(7157)が目標株価の引き下げを受けて6.8%安となり昨年来安値を更新しています。
一方で住友金属鉱山(5713)が一時3.3%高となりました。緊迫化するウクライナ情勢を受けて安全資産とされる金が買われていることから金鉱株である住友金属鉱山に買いが向かいました。ジャスダック市場では買取王国(3181)が株主優待制度を新設すると発表したことで一時7.1%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は先週末の米国市場がウクライナ情勢を警戒した売りが続き続落となったことから211円安となりました。一時は570円以上下げましたが、ロシアのプーチン大統領と米国のバイデン大統領がフランスのマクロン大統領が提案した首脳会談を受け入れたと伝わったことで緊張緩和への期待が高まり下げ幅を縮めました。しかし、節目の27,000円を割り込んだことで二番底を探る展開を警戒する見方も出てきそうで、今週もウクライナ情勢に神経質な展開が続くことになりそうです。なお、今晩の米国市場はプレジデントデーの祝日で休場です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)