東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は337円安の26,895円で寄り付くと下げ幅を広げ取引開始から50分で440円安の26,792円まで下落しましたが、10時30分頃から急速に持ち直すと11時10分過ぎに80円安の27,152円まで下げ幅を縮め138円安の27,094円で前場を終えました。65円安の27,167円でスタートした後場の日経平均は13時30分前に16円安の27,216円まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局110円安の27,122円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は昨日に続いて昨年来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超える下落となったことで半導体製造装置関連銘柄が安く、東京エレクトロン(8035)が一時3.9%安となり、レーザーテック(6920)も一時5.2%安となりました。アドバンテスト(6857)も一時4.4%安となっています。2021年12月期の決算を発表したトレンドマイクロ(4704)も3.7%安となりました。新型コロナウイルス対策の制限緩和で出張やイベント費用が増加することから新型コロナウイルス禍のオンライン教育やリモート需要で伸びていたクラウド事業の成長が鈍化することなどから2022年12月期の営業利益が前期比で小幅な減益となる見通しを発表し市場予想も下回ったことから売りが膨らみました。また、ファナック(6954)が投資判断の引き下げを受けて5.8%安となり昨年来安値を更新しています。

一方で富士ソフト(9749)が投資判断の引き上げを受けて5.6%高となっています。さらに運賃の高止まりを好感した買いが入り海運株が高く、日本郵船(9101)が2.8%高、商船三井(9104)が3.9%高、川崎汽船(9107)も3.4%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は110円安となりました。ウクライナ情勢への警戒感が高まるなかハイテク株から景気敏感株まで幅広い銘柄に売りが出て昨日の米国市場が大幅安となったことから一時は下げ幅を440円安まで広げ節目の27,000円を割り込みました。しかし、ウクライナ情勢を巡って米国のブリンケン国務長官がロシアのラブロフ外相と来週末に会談すると伝わったことでウクライナ情勢が一段と緊迫化することへの警戒感が後退し下げ幅を縮めました。来週もウクライナ情勢に神経質な展開が続きそうですが、こうしたなかで売りが優勢となった場合には27,000円を維持できるかが、反対に買いが優勢となった場合には上値抵抗線となっている25日移動平均線(27,358円)を上回れるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の19日午前零時には1月の米景気先行指標総合指数や1月の米中古住宅販売件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)