東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反落となりました。112円安の27,327円で寄り付いた日経平均は直後に70円安の27,369円まで持ち直した後下げ幅を広げると9時30分前に354円安の27,085円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めると236円安の27,203円で前場を終えました。261円安の27,178円でスタートした後場の日経平均は直後に285円安の27,154円まで下落しましたが、その後やや戻すと27,200円を小幅に上回って推移し結局191円安の27,248円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
第3四半期決算を発表し業績予想を上方修正した企業に大きく上げる銘柄がありました。三井不動産(8801)は中古住宅仲介など新型コロナウイルス禍の新たな需要を捉えた事業が好調で通期の営業利益の見通しを2300億円から2400億円に引き上げたことで一時4.1%高となり、スクエア・エニックス・ホールディングス(9684)も人気ゲームの課金会員が大幅に増加したことなどで通期の営業利益の見通しを400億円から500億円に引き上げ減益予想が一転して増益予想となったことで3.5%高となりました。ダイフク(6383)も世界的なインターネット通販の拡大で物流センター向けが好調なうえ、半導体工場の搬送機器も伸びることなどから通期の営業利益の見通しを450億円から485億円に引き上げたことで10.6%高となっています。また、米長期金利の上昇を受けて生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が3.8%高となったほか、T&Dホールディングス(8795)も3.2%高となり揃って昨年来高値を更新しています。
一方でオリンパス(7733)が12.2%安となりました。第3四半期9カ月間の営業利益は前年同期比で68.2%増となりましたが、病院などで予算執行が遅れたことや中国の消化器内視鏡が減収となったことなどから第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で5.2%減と減益に転じたことで売りが膨らみました。さらに後場に入って13時に第3四半期決算を発表したSUBARU(7270)が4.9%安となりました。想定を上回る半導体の供給不足の影響で通期の営業利益の見通しを1500億円から1000億円に下方修正したことで決算発表直後に下げ幅を広げました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は191円安となりました。先週末の米国市場でダウ平均が早期の金融引き締めを警戒した売りで下落したことや、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の急伸を受けたナスダック総合株価指数の反発も先週末の日本株の上昇で既に織り込んでいたことから新たな買い材料に乏しく売りが優勢となりました。
こうしたなかで今週は決算発表がピークを迎えます。8日にはソフトバンクグループ(9984)が決算を発表するほか、9日にはトヨタ(7203)が決算発表を予定しています。さらに10日には700社に近い企業が一気に決算を発表する予定で、こうした決算発表を支えに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはダイキン工業(6367)やオリックス(8591)、NTT(9432)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)