【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,089.74 ▼21.42 (2/4)
NASDAQ: 14,098.01 △219.19 (2/4)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米雇用統計で雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで金融政策の早期の正常化観測が高まり金融引き締めが景気を冷やすとの警戒感から景気敏感株の一角に売りが出て小幅に続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が急伸したことでハイテク株に買い戻しが入り反発となりました。15ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に312ドル安まで下落しましたが、切り返すと午後に入ってプラスに転じ取引終盤には222ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて急速に上げ幅を縮めると下落に転じ結局21ドル安の35,089ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が23ポイント高の4,500ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント高の14,098ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は46万7000人増となり市場予想を大きく上回りました。失業率は前月から4.0%と前月から0.1ポイント上昇し横ばいを見込んでいた市場予想に反して悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、素材と不動産、生活必需品、資本財・サービスが1%以上下落しました。一方で5業種が上げ、一般消費財・サービスが3%を超える上昇となり、金融とエネルギーも1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
アマゾン・ドット・コムは決算で1株利益が市場予想を大きく上回ったことで急伸し13%以上上昇しました。アマゾン・ドット・コムの急伸が他のハイテク株にも波及し、セールスフォース・ドットコム(CRM)が3%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、電気自動車のテスラ(TSLA)も3%以上上げています。また、前日にフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が急落したことを受けて連れ安となった写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)やツイッター(TWTR)も大幅高となり、スナップが決算で売上高が市場予想を上回ったことなどで急反発し59%近く上げ、ツイッターも7%余り上昇しています。さらに長期金利の上昇を受けて金融株が高く、バンク・オブ・アメリカ(BAC)が4%近く上げ、ゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)、シティーグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も2%以上上昇しています。
一方で景気敏感株の一角に売りが出るなかスリーエム(MMM)が2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米雇用統計で雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで0.08%高い1.91%となり2020年1月以来の高水準となりました。ドル円は115円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
ダウ平均が下落となったことやナスダック総合株価指数の反発も先週末の上昇で既に織り込んでいることから新たな買い材料に乏しく本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が5日移動平均線(先週末時点で27,259円)などを支えに下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)