東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反落となりました。117円高の28,451円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分弱で79円高の28,412円まで上げ幅を縮めましたが、切り返すと11時過ぎに264円高の28,598円まで上昇し240円高の28,574円で前場を終えました。後場の日経平均は昼前に発表となった日銀の金融政策決定会合の結果を受けて一段高となり345円高の28,679円でスタートし直後に356円高の28,690円まで上昇しましたが、急速に伸び悩むと13時20分過ぎにマイナスに転じ13時50分に203円安の28,129円まで下落しました。その後持ち直した日経平均ですが結局76円安の28,257円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。
2.個別銘柄等
INPEX(1605)が一時3.2%高となり昨年来高値を更新しました。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と島根県と山口県から約100キロ超の沖合で海洋ガス田の探鉱を3月から始めると発表したことが材料視されました。キヤノン(7751)も一時3.0%高となりました。2016年に医療機器の旧東芝メディカルシステムズを買収した際に借り入れた資金の完済メドがついたことで2023年以降段階的に配当を引き上げ2025年12月期の年間配当を160円と2021年12月期推定の100円から60円増やすことを目指すと伝わったことで買いが優勢となりました。学習塾のTOMASなどを運営するリソー教育(4714)も9.5%高となりました。好調な業績や今後の経営環境をふまえ2022年2月期の期末配当を従来予想から2円引き上げ前期比6.5円増の16円にすると発表したことが好感されました。また、転職サイトのビズリーチを運営するビジョナル(4194)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.2%高となっています。
一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて大手鉄鋼株が安く、日本製鉄(5401)が7.1%安、JFEホールディングス(5411)と神戸製鋼所(5406)が6.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は76円安となりました。昨日の米国市場がキング牧師誕生日の祝日で休場となるなか欧州株高を受けて買いが先行し、昼休み中に日銀が金融政策決定会合の結果を発表し従来の大規模な金融緩和の維持を決めたことで政策変更への警戒が後退し後場寄り直後に一段高となりました。しかし、日本時間18日昼の取引で米長期金利が一段と上昇していることを受けて米株価指数先物が下げ幅を広げたことで高値を付けた直後に急速に伸び悩むとマイナスに転じ一時は200円以上下げました。一時350円以上も上げながらプラスを維持できずマイナスとなったことで上値の重さが改めて意識されることになりそうです。
なお、日本時間の22時30分に1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されるほか、18日の米国ではゴールドマン・サックス(GS)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)