【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,911.81  ▼201.81 (1/14)
NASDAQ: 14,893.75  △86.94 (1/14)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は消費関連株や金融株に売りが出て続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に買い戻しが入り反発となりました。117ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに472ドル安まで下落した後下げ幅を縮めましたが、上値は重く結局201ドル安の35,911ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が3ポイント高の4,662ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント高の14,893ポイントとなっています。

2.経済指標等

2021年12月の米小売売上高は前月比1.9%減となり市場予想を下回りました。12月の米鉱工業生産指数も前月比0.1%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率も76.5%と前月から低下し市場予想を下回っています。1月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も68.8と前月から低下し市場予想を下回りました。12月の米輸入物価指数も前月比0.2%低下と市場予想を下回ったうえ、米輸出物価指数も前月比1.8%低下し市場予想を下回っています。11月の米企業在庫は前月比1.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、不動産と金融が1%以上下落しました。一方でエネルギーや情報技術などの4業種が上げ、エネルギーは2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

JPモルガン・チェース(JPM)が6%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で1株利益は市場予想を上回りましたが、貸倒引当金の取り崩しが利益を押し上げたこともあって売りが優勢となりました。他の金融大手にも売りが波及し、モルガン・スタンレー(MS)が3%以上下げ、ゴールドマン・サックス(GS)も2%を超える下落となりました。また、米小売売上高が市場予想を下回ったことで消費関連株も安く、ホーム・デポ(HD)が4%近く下げ、ダウ平均構成銘柄でJPモルガン・チェースに次ぐ下落率となっています。

一方でハイテク株に買い戻しが入るなか半導体関連株が高く、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)とラムリサーチ(LRCX)が6%以上上げ、KLA(KLAC)も5%を超える上昇となりました。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%以上上げ、クアルコム(QCOM)も2%を超える上昇となっています。動画配信のネットフリックス(NFLX)も米国の視聴プランを値上げしたことで1%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.08%高い1.78%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場でナスダック総合株価指数が反発となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の11時に中国で2021年10-12月期のGDPや12月の鉱工業生産指数など多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)