【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,252.02 △183.15 (1/11)
NASDAQ: 15,153.45 △210.62 (1/11)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で高インフレを抑える姿勢を改めて示し年内にバランスシートの縮小を始める可能性があるなどと述べたものの、発言が市場の想定以上に金融引き締めに積極的な内容とならなかったことでハイテク株を中心に買いが入り上昇となりました。10ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げると朝方に299ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すとパウエル議長の議会証言を受けてプラスに転じました。上げ幅を広げ取引終盤に202ドル高まで上昇したダウ平均は結局183ドル高の36,252ドルで取引を終え5日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も210ポイント高の15,153ポイントと続伸となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが3%を超える上昇となったほか、情報技術と素材、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%以上上げています。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が下げ、公益事業は1%近く下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が2021年10-12月期の出荷機数が7-9月期から増えたことで3%以上上げ上昇率トップとなったほか、シェブロン(CVX)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を超える上昇となりました。一方でIBM(IBM)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて1%以上下げ下落率トップとなり、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%を上回る下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ハイテク株が買われるなか目標株価の引き上げを受けてアマゾン・ドット・コム(AMZN)が2%以上上昇し、フェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)も2%近く上げました。また、半導体株も高く投資判断の引き上げを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%を超える上昇となり、クアルコム(QCOM)も3%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.73%となりました。ドル円は115円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)