【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,544.18 ▼106.77 (12/14)
NASDAQ: 15,237.64 ▼175.64 (12/14)
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控え様子見ムードが強いなか11月の米卸売物価指数が高い伸びとなったことで利上げ前倒しへの警戒感が強まりハイテク株に売りが出て続落となりました。45ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくしてプラスとなり128ドル高まで上昇しましたが、買いが続かずマイナスに転じると昼過ぎには209ドル安まで下落しました。その後持ち直すと取引終盤に前日終値近辺まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないと引けにかけて再び下げ幅を広げ結局106ドル安の35,544ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も175ポイント安の15,237ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比9.6%上昇し比較可能な2010年11月以降で最大の伸びとなり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融を除く10業種が下げました。そのなかでも情報技術と不動産が1%を超える下落となり、資本財・サービスも1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が4%近く下げ下落率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も3%以上下げています。また、シスコシステムズ(CSCO)とハネウェル・インターナショナル(HON)も1%を超える下落となっています。一方でトラベラーズ(TRV)が2%以上上げ上昇率トップとなり、メルク(MRK)とアムジェン(AMGN)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ゴールドマン・サックス(GS)、ダウ(DOW)も1%を上回る上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、最高経営責任者(CEO)が10-12月期の業績が従来の会社予想を上回るとの見通しを示したと伝わったことで配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)が4%以上上げています。代替肉のビヨンド・ミート(BYND)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて9%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い1.44%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかFOMCの結果発表を控えて様子見ムードの強い一日となりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国の鉱工業生産や小売売上高など中国で数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)