【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,719.43  △492.40 (12/7)
NASDAQ: 15,686.92  △461.76 (12/7)

1.概況

米国市場は英製薬のグラクソ・スミスクラインが開発中のコロナ抗体治療薬が臨床前段階で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に有効性を示したと発表したことなどでオミクロン株への警戒感が後退し大幅続伸となりました。196ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして592ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが堅調に推移すると結局492ドル高の35,719ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も461ポイント高の15,686ポイントとなり3%の上昇となっています。

2.経済指標等

10月の米貿易収支の赤字額は前月比17.6%減の671億ドルとなりました。また、7-9月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比9.6%上昇し市場予想を上回りました。一方で10月の米消費者信用残高は前月比169億ドル増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が3%を超える上昇となり、一般消費財・サービスとエネルギーも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が4%近く上げ上昇率トップとなったほか、目標株価の引き上げを受けてアップル(AAPL)も3%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。セールスフォース・ドットコム(CRM)も3%以上上げ、車載半導体子会社の上場を発表したインテル(INTC)も3%余り上昇しています。また、ゴールドマン・サックス(GS)とマイクロソフト(MSFT)、ビザ(V)も2%を上回る上昇となっています。一方でメルク(MRK)が投資判断の引き下げを嫌気して1%以上下げ下落率トップとなりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が目標株価の引き上げを受けて4%を超える上昇となり、半導体のブロードコム(AVGO)も同じく目標株価の引き上げを受けて4%以上上げ上場来高値を更新しています。さらに他の半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が8%近く上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコム(QCOM)、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い1.47%となりました。ドル円は113円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)