【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,580.08  ▼59.71 (12/3)
NASDAQ: 15,085.47  ▼295.85 (12/3)

1.概況

先週末の米国市場は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が世界各地で相次いで確認されたことが嫌気されハイテク株中心に売りが出て反落となりました。52ドル高でスタートしたダウ平均は直後に161ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めマイナスに転じると下げ幅を広げ取引終盤には375ドル安まで下落しました。その後引けにかけて急速に下げ幅を縮めたダウ平均ですが戻し切れず結局59ドル安の34,580ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も295ポイント安の15,085ポイントとなり2%近い下落となっています。

2.経済指標等

11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比21万人増に止まり市場予想を下回りました。一方で失業率は4.2%と前月から0.4ポイント低下し市場予想を上回る改善となりました。また、11月の米ISM非製造業景況感指数も69.1と過去最高となり市場予想を上回りました。10月の米製造業新規受注も前月比1.0%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、情報技術と金融も1%以上下げました。一方で生活必需品と公益事業、ヘルスケアの3業種が上げ、生活必需品と公益事業は1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト(MSFT)とボーイング(BA)、JPモルガン・チェース(JPM)が2%近く下げました。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が4%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が米連邦取引委員会が半導体設計の英アームの買収を阻止する目的で提訴すると発表したことで4%を超える下落となりました。また、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が世界各地で相次いで確認されていることで旅行・レジャー関連株が安く、空運株ではアメリカン航空グループ(AAL)が4%を超える下落となり、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も2%を上回る下げとなりました。クルーズ船ではノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が4%以上下げ、カーニバル(CCL)も4%近く下落しています。さらに米国市場での上場を廃止すると発表した中国の配車アプリ最大手のディディ(DIDI)が急落し22%以上下げたほか、他の中国企業の米預託証券(ADR)にも連想売りが出てアリババ集団(BABA)も8%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.10%低い1.34%となりました。ドル円は112円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)