東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。日経平均は米国株高を受けて327円高の28,611円で寄り付くと直後に434円高の28,718円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと前引けにかけて上げ幅を縮め214円高の28,498円で前場を終えました。

141円高の28,425円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに222円高の28,506円まで持ち直しましたが、節目の28,500円をわずかに上回ったところで上値が押さえられると上げ幅を縮め14時10分過ぎにマイナスに転じ下げ幅を広げました。大引け間際に464円安の27,819円まで下落した日経平均は結局462円安の27,821円で取引を終えほぼ安値引けとなりました。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%余り上昇した流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄に買いが向かいました。ニコン(7731)が3.2%高となったほか、日本電子(6951)も投資判断や目標株価の引き上げが相次いだこともあって一時7.9%高となり上場来高値を更新しています。

また、日本水産(1332)とマルハニチロ(1333)が買われました。日本水産は目標株価の引き上げを受けて一時4.1%高となり、マルハニチロは家庭用冷凍食品の出荷価格を2022年2月から値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入り一時3.0%高となっています。さらに住友ベークライト(4203)も目標株価の引き上げを受けて一時4.4%高となり、日本取引所グループ(8697)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.4%高となっています。

一方で日経平均が下落に転じるなか指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が4.4%安となり、日経平均を1銘柄で110円近く押し下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は462円安となりました。昨日の米国市場が反発したことで買いが先行しましたが、100日移動平均線(28,720円)で上値が押さえられ伸び悩むなか、モデルナの最高経営責任者(CEO)がオミクロン型に対する既存のワクチンの有効性が低そうだとの見通しを示したと伝わったことで後場に入って下落に転じ下げ幅を広げると節目の28,000円も割り込みました。オミクロン株への警戒感が依然として強いなかでオミクロン株の情報に一喜一憂する展開がしばらくは続きそうです。

なお、23時45分に11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、1日の午前零時には11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の上院銀行委員会で証言も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)