【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  35,804.38   ▼9.42  ( 11/24 )
NASDAQ:  15,845.23   △70.09  ( 11/24 )

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は利益確定の売りに押された金融株の下げが重石となり下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買い戻しが入り上昇となりました。61ドル安でスタートしたダウ平均は直後に222ドル安まで下落しましたが、その後徐々に持ち直すと取引終盤にプラスに転じました。しかし、上値は重く11ドル高で伸び悩むと引けにかけて再びマイナスに転じ結局9ドル安の35,804ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。

一方でS&P500株価指数が10ポイント高の4,701ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も70ポイント高の15,845ポイントと3日ぶりに反発となりました。

2.経済指標等

7-9月期の米実質GDP改定値は年率換算で前期比2.1%増と速報値から小幅に上方修正されたものの市場予想を下回りました。10月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比0.4%増の74万5000戸に止まり市場予想を下回っています。10月の米耐久財受注額も前月比0.5%減となり市場予想を下回りました。

一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7万1000件減の19万9000件と1969年11月以来52年ぶりの低水準となり市場予想を上回る改善となりました。11月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も67.4と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。また、10月の個人消費支出(PCE)も前月比1.3%増となり市場予想を上回ったうえ、米個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。

さらに11月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では高インフレが続けば債券買い入れプログラムの縮小ペースを加速させ、より迅速に利上げを実施することに複数の参加者が前向きな姿勢をみせていたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や生活必需品、金融などの6業種が下げました。一方で5業種が上げ不動産が1%以上上昇したほか、エネルギーも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GS)が利益確定の売りが出て2%近く下げ下落率トップとなったほか、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%近く下げました。また、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とスリーエム(MMM)も1%以上下げています。一方でビザ(V)が2%以上上げ上昇率トップとなり、インテル(INTC)も1%を超える上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、農機のディア(DE)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで5%を上回る上昇となりました。さらにハイテク株に買い戻しが入るなか半導体株の一角が高くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が5%を超える上昇となり、エヌビディア(NVDA)も3%近く上げています。カジュアル衣料のギャップ(GPS)は決算で売上高が供給網の混乱による商品不足で市場予想に反して減収となったうえ、通期の見通しも下方修正したことで急落し24%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.64%となりました。ドル円は115円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が反発したことに加えて、昨日に大きく下げた反動もあって上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,500円を回復することができるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)