先週金曜日、マーケットや普天間問題以外で大きな話題となったニュースに「iPad日本販売開始」がありました。もしかしたら皆さんの中にも並ばれて、既に購入された方もいらっしゃるかもしれませんね。
私も実際に実物を見て、触ってきました。これまでのノートPCともiPhone などのスマートフォンとも異なる、全く新しいデバイスといった印象です。単純に「楽しそう!」と思わず衝動買いしたくなりました。

ところで、iPadもそうですが、携帯電話の料金プランはややこしいと思いませんか?
本体価格には一括と分割払いがあり、それとは別に毎月の利用料があり、一定の期間(24か月)に限り割引がある・・・云々。どれがおトクなのかよくわからなくなります。
通常は一括払いの方が分割払いの総額より安くなるはずですが、それが同額だったりして、それだけ分割払いがしやすい状況になっていることが多いです。(超低金利が背景にありますが)

さて、分割払いのし易さというのはマネープラン上ではリスクが高いものです。一括で買うには高いけれど、分割にすれば手が届く・・・消費者はそう考えれば購入を先延ばしにしません。
今あるお金では足りないけれど、後で請求がくるのであれば・・・とクレジットカード社会のアメリカで利用者の多くを苦しめている消費行動です。
日本でもクレジットカードのリボ払いを選んで利用される方も多いと思います。月々一定の負担以内なら大丈夫、という発想してしまいがちですが、この低金利の時代にリボ払いの金利手数料は10数%(実質年率)のところがほとんどなのです。

預貯金の利息がほとんど増えないのに、知らない間にその何倍ものコストを支払っているなんてバカバカしいと思いませんか?

前述の携帯電話等の契約での「利用料」の場合は、もちろんこうした金利手数料のかかるものではありません。ですが、商品を手に入れる=毎月の一定額の支払い(ランニングコスト)が発生することになるのです。

例えばデジタル機器に詳しく、携帯電話を複数保有し、自宅にPC(プロバイダー契約)、モバイルPCも活用(データ通信カードを利用)、iPadも購入予定!なんていう方も結構いるかもしれません。この方の場合、通信機器関連だけでも月々の利用料は結構な金額になりますよね。
もしこの方がクレジットカードでリボ払いの利用もしているとすれば・・・それぞれの金額はそれほど大きくなくとも、月々の「必要支出」トータルはかなりの負担になってしまうことでしょう。

通常の生活の中で「ちょっと贅沢な消費」をする分には、その月だけ上手にやりくりをすることで大きな問題にはならないのですが、月々の決まった収入の中で、固定化した「必要支出」が多くなるとやりくりできる幅は確実に小さくなり、いざというときに見動きできなくなってしまうという危険があるのです。
分割払い、リボ払い、月々利用料といった毎月の固定費用については十分に考えてから契約、利用するようにしたいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員