【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,870.95  ▼60.10 (11/18)
NASDAQ: 15,993.71  △72.14 (11/18)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。シスコシステムズ(CSCO)の下落が重石となったダウ平均は続落となりましたが、半導体株の一角が堅調でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発となり史上最高値を更新しています。29ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に276ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと小幅安で推移し結局60ドル安の35,870ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が15ポイント高の4,704ポイントとなり8日に付けた史上最高値(4,701ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント高の15,993ポイントとなりこちらも8日に付けた史上最高値(15,982ポイント)を上回っています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の26万8000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。一方で11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は39.0と前月から上昇し市場予想を上回りました。10月の米景気先行指標総合指数も前月比0.9%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業、金融などの7業種が下げました。一方で4業種が上げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、業績見通しも市場予想に届かなかったことでシスコシステムズが5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。アリババ集団(BABA)も決算で通販を含むコマース事業の売上高が市場予想を下回ったことが嫌気され11%以上下げています。また、取引終了後に決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)は売上高が市場予想を下回ったうえ、業績見通しも市場予想に届かなかったことから時間外で大きく下げています。

一方で電気自動車を2025年にも発売すると伝わったアップル(AAPL)が3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しています。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も決算と業績見通しが市場予想を上回ったことで目標株価の引き上げが相次ぎ8%を超える上昇となりました。さらに決算で売上高などが市場予想を上回ったことで百貨店のメーシーズ(M)とコールズ(KSS)が急伸し、メーシーズが21%以上上げ、コールズも10%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.58%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は方向感に乏しい展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)