【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,142.22 △54.77 (11/16)
NASDAQ: 15,973.86 △120.01 (11/16)
1.概況
米国市場は米小売売上高が市場予想を上回ったことで消費関連株を中心に買いが入り反発しました。ダウ平均は11ドル安と下落してスタートしましたが、プラスに転じると上げ幅を広げ昼過ぎに229ドル高まで上昇しました。その後伸び悩むとダウ平均は引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局54ドル高の36,142ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も120ポイント高の15,973ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米小売売上高は前月比1.7%増となり市場予想を上回りました。10月の米鉱工業生産指数も前月比1.6%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も76.4%と前月から上昇し市場予想を上回っています。10月の米輸入物価指数も前月比1.2%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比1.5%上昇し市場予想を上回っています。11月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も83となり市場予想を上回りました。9月の米企業在庫は前月比0.7%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や生活必需品、公益事業などの7業種が下げました。一方で4業種が上げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回る増収増益だったホーム・デポ(HD)が5%以上上げ上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を140ドル押し上げています。また、米小売売上高が市場予想を上回ったことで消費関連株が買われるなかナイキ(NKE)とビザ(V)も1%を超える上昇となっています。さらにマイクロソフト(MSFT)も1%高となり上場来高値を更新しています。一方で前日に大幅高となったボーイング(BA)が利益確定の売りに押されて3%を超える下落となり、決算でコスト増が響き営業利益がほぼ横ばいに止まったウォルマート(WMT)も2%以上下げています。ダウ(DOW)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、キャタピラー(CAT)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株の一角が高くクアルコム(QCOM)が8%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%余り上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.63%となりました、ドル円では円安が進み114円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)