世界的な低金利状況の中、先進国の中ではオーストラリアのみ先陣を切って昨年から利上げをしています。今年2月は見送ったものの、3月には豪州連邦準備銀行(RBA)は政策金利を0.25%引き上げ4.00%にしています。その背景には「好調な経済状態」があるとのこと。
そのオーストラリアに先週行ってきました。
オーストラリアを旅行された方には感じられた方もいらっしゃると思いますが、ニュース等からイメージする「先進国オーストラリア」と実際目で見るオーストラリアの印象は少々異なります。
もちろん広大なオーストラリアのことですから、どこに行ったかでも印象は違ってくることでしょう。
今回私が訪れたのがアデレードとゴールドコーストといずれもリゾート・観光都市でしたから、それだけ「都会」という印象からは外れてくるといえます。もちろん市街地がきれいに整備され、道路事情も良く、ホテル等の設備も「先進国」であることには違いありません。
ですが、その街の最も賑やかなショッピングエリアの規模、並べられている商品の種類などどこか素朴な感じがしますし、カメラなどの精密機器も日本の最新のものはまだ置いていなかったりします。
土曜日の夕方早い時間にあっという間にお店が閉まってしまうところも(これはヨーロッパでもそうですが)、商売気がないというかどこかのんびりした印象を受けました。
クレジットカードが必ずしもどこでも使えるわけではなく(最低金額が決められている場合も多い)、トラベラーズ・チェック(T/C)は利用できないどころかその存在すら理解していないという店もあり、現金いらずの米国とは大きく異なります。
オーストラリア経済の拠り所は広大な国土の多様な自然を軸にした観光と、なんといっても豊富な天然資源です。先進国の仲間とは言っても、資源を持つ新興国に近いとも言えるかもしれませんね。
街や人を見ての印象は、意外かもしれませんが各種データ以上に経済状況を表すものです。
●素朴でまだまだ田舎、ただし資源と観光を軸に今後の将来も期待できる印象 → 実際の経済は好調
●日本人観光客が少ない印象 → 実際に減少傾向にあるとのこと/日本経済 を反映している
●中国人・韓国人観光客が多い印象 → ブランドシップなどの表記は中国語 が中心となっていて、実際に購入者は中国人が多いとのこと(「日本人は買 わなくなった」と店の方の弁)
●インドネシアなど近隣アジア諸国からの団体旅行客が目立つ → アジア新 興国の一般個人にも「海外旅行」が増加している/経済成長の裾野が広がっ てきている
実際に目にし、耳にすることでその国に限らず、周辺の国の経済状況も感触を捉えることができます。
海外を旅する機会があるときは、時にはそんな目線で街や人を見てみてはいかがでしょうか?意外な投資機会の発見に結びつくこともあると思います。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー