S&P500、ナスダック総合、NYダウ3指数が揃って史上最高値更新
先週金曜日(11月5日)、S&P500は4,697.5ポイント、ナスダック総合指数は15,971.59ドル、ダウ指数は36,327.95ドルと、3指数共に史上最高値を更新しました。
11月に入ってからの5営業日で3指数は既にそれぞれ2%、3.05%、1.42%上昇しました。
先週の上昇については、3つの理由が考えられます。
S&P500採用銘柄のうち81%がサプライズの決算を発表
米国の決算発表も終盤戦を迎えており、先週末時点でS&P500採用銘柄のうち447社が決算発表を終えました。8月27日時点での事前予想が前年同期比で28.9%だったのに対し、これまでのところ41.3%と、12.4ポイント事前予想を上回る結果となっています。発表済み企業のうち81%がサプライズの決算を発表しました。
セクター別に見てみると工業(+90.8%)、原材料(+41.3%)とコロナ禍で経済活動の落ち込みで2020年末不調だったセクター2つが大きくリバウンドして1位、2位となり、3位にはITセクタ−が続いています。
S&P500の時価総額の約36%を占めるITセクターは前年同期比で39.6%増益と、88%の企業がサプライズの発表をしました。これは他のセクターと比べても最も大きな数字となっています。ナスダック総合のようなテクノロジーの比率の多い指数が堅調なのはこのような理由が反映されてのことでしょう。
10月の米雇用統計が市場予想を上回る
2つ目の理由として、先週金曜日に発表された10月の米雇用統計が市場予想を上回ったことも市場に安堵感を与えました。
経済活動の正常化で恩恵を受ける銘柄の株価上昇
3つ目の理由としては、同じく金曜日に米ファイザー(PFE)が開発中である新型コロナの飲み薬が「入院リスクを89%減らす」と報じられ、ファイザーは+10.9%、また、航空会社のアメリカン航空(AAL)+5.8%、オンライントラベルのブッキング・ホールディング(BKNG)+7.5%、クルーズ旅行のカーニバル・クルーズ(CCL)が+8.4%など経済活動の正常化で恩恵を受ける銘柄が買われ、株式市場の追い風となっています。
2021年に入ってこのような経済活動の恩恵を受ける銘柄は年前半リバウンドした後、レンジ内で推移しマーケットをアンダーパフォームしてきたこともあり、これをきっかけにキャッチアップラリーは続くのではないかと考えています。
米国株のアノマリーはこれから年末にかけて上昇することを示唆している
1945年からこれまでで、S&P500が年初から10月末までの10ヶ月で15%以上上昇した年が20回ありまして、今年は21回目になります。この20回のうち17回(85%)は11月プラスで平均2.8%上昇しているという結果です。1945年からの平均では67%の確率で上昇、平均リターンは1.45%です。
また、残りの2ヶ月間でみると20回のうち19回は(95%)プラスとなっており、平均4.85%の上昇です。1945年からの平均では同期間76%の確率で上がっており、平均上昇率は3.06%となっています。
このようなデータをみると、今年も年末までこのまま米国株が上昇を継続することを期待しても良いのではないでしょうか。