ギリアド・サイエンシズ(GILD)決算:一株利益は2.65ドルで市場予想を上回る
企業概要
ギリアド・サイエンシズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)を中心に、有効な治療法が確立されていない生命を脅かす感染症治療のための新薬を開発し製品化を行うバイオ医薬品企業である。2006年にCorus PharmaとMyogenを買収、その後CV Therapeutics、Arresto Biosciences、2011年にはCalistoga Pharmaceuticalsを買収し、肺疾患や心臓血管疾患、がん治療分野にも進出。2012年のPharmassetの買収により、C型肝炎治療薬ハーボニーの併用剤の一部でもあるソバルディを取得。Kite Pharma、Forty-Seven、Immunomedicsの買収で、細胞療法および非細胞療法のがん治療薬のエクスポージャーが広がった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7-9月期)実績
★製品売上高・・・前年同期比13%増の74.2億ドル(市場予想は62.9億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.65ドル(市場予想は1.77ドル)
決算総括
7-9月期(第3四半期)の売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース製品売上高ガイダンスレンジを引き上げた。
今後の株価見通し
同社株は2018年からレンジ内相場となっている。画期的M&Aで大型新薬を持てるかどうかが鍵となろう。80ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
ダイナトレース(DT)決算:一株利益は0.18ドルで市場予想を上回る
企業概要
ダイナトレースは、動的マルチクラウド環境専用に構築されたソフトウェアインテリジェンスプラットフォームを提供している。顧客がIT運用を最新化および自動化し、高品質のソフトウェアをより迅速に開発およびリリースし、ユーザーの経験を向上させて、常にビジネス成果を向上させることができるように、ソフトウェアインテリジェンスプラットフォームを設計した。Dynatraceプラットフォームは、サービスの劣化、行動の異常、およびユーザーの影響に対する即座の回答のために、OneAgentと呼ばれる自動計測技術、SmartScapeと呼ばれるリアルタイム依存関係マッピングシステム、PurePathと呼ばれるトランザクション中心のコード分析技術、Davisと呼ばれるオープン人工知能(AI)エンジンを活用している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比34%増の2.26億ドル(市場予想は2.20億ドル)
★1株当たり利益・・・0.18ドル(市場予想は0.16ドル)
第3四半期ガイダンス
★売上高・・・2.33-2.35億ドル(市場予想は2.33億ドル)
★1株当たり利益・・・0.16ドル(市場予想は0.16ドル)
通期ガイダンス
★売上高・・・9.13-9.19億ドル(従来予想は9.02-9.14億ドル、市場予想は9.11億ドル)
★1株当たり利益・・・0.63-0.65ドル(従来予想は0.60-0.63ドル、市場予想は0.63ドル)
続く第3四半期調整済みEPSガイダンスが予想に一致した他は、全ての四半期、通期ガイダンスで予想を上回った。
今後の株価見通し
クラウドネイティブのインテリジェンスプラットフォームを提供。サブスクリプション型企業である。業務システムのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、システムの安定稼働と問題の早期発見・解消につながるサービスを提供。AIにより、運用やシステムの監視・分析の業務を大幅に自動化する。顧客は銀行、保険のほか、小売りや製造業、旅行サービス業であるため、コロナ禍を過ぎれば開拓余地が更に広がる可能性がある。同社の成長力は健全を維持している。
フォード・モーター(F)決算:一株利益は51セントで市場予想を上回る
企業概要
フォード・モーターは、フォードブランドおよびリンカーンブランドの自動車を製造する。市場シェアは米国で約14%、欧州で約7%となっている。2020年度の自動車部門の売上高の69%を北米、19.5%を欧州が占める。従業員数は186,000人で、そのうち全米自動車労働組合員は58,000人。ミシガン州ディアボーンに本拠を構える。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9期)実績
★自動車部門収入・・・前年同期比4.3%減の332億ドル(市場予想は315.6億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・51セント(市場予想は27セント)
7-9月期決算(第3四半期)を発表し、売上高が予想を上回ったほか、1株利益は予想の2倍近くとなった。また、第4四半期のガイダンスも公表しており、電気自動車(EV)への投資拡大にもかかわらず、EBITの見通しを上方修正したほか、第4四半期の復配計画も発表した。一方、半導体不足については2023年まで続く可能性を示している。
通期見通し
★EBIT(調整)・・・105-115億ドル(従来:90~100億ドル)(予想:99.6億ドル)
★FCF(調整)・・・40-50億ドル(従来:40-50億ドル)
今後の株価見通し
決算発表日引け後の時間外取引では、16.40ドル台で推移し、ほぼ最高値圏だった。今回の好決算を受け、新値追いとなろう。
ザイリンクス(XLNX)決算:一株利益は1.06ドルで市場予想を上回る
企業概要
ザイリンクスは、1984年に設立され、FPGA(Field Programmable Gate Array)で最大級の市場シェアを有する。同社のチップは、通信、データ処理、産業、家電、自動車市場のさまざまなデバイスの性能に重要な役割を果たす。同社は、チップの設計および販売を手掛けるが、製造は、台湾マニュファクチャリング・セミコンダクター・カンパニー(TSMC)など社外のファウンドリー(半導体受託生産会社)に委託している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比22%増の9.36億ドル(市場予想は8.92億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.06ドル(市場予想は91セント)
決算総括
第2四半期の売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。
今後の株価見通し
AMDとザイリンクスはともに中堅規模の半導体企業で、独占禁止法に触れるリスクは少ないとみられる。だが、スムーズに手続きが進むかどうかは予断を許さない面もある。
同社株は以下のチャートの通り、戻り高値を更新中だ。
ウエスタンデジタル(WDC)決算:一株利益は1.95ドルで市場予想を下回る
企業概要
ウエスタンデジタルは、垂直統合モデルで事業を展開するデータストレージソリューションの大手サプライヤーである。製品は、ハードディスクドライブ(HHD)とソリッドステートドライブ(SSD)の両域にまたがる。HDD市場では、シーゲートとともに、実質的2社独占状態を形成している。また、SSD向けNANDフラッシュチップを競合相手のキオクシアと合弁で製造する世界最大手企業でもある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比29%増の50.5億ドル(市場予想は50.6億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.49ドル(市場予想は2.46ドル)
第2四半期(10月-12月期)ガイダンス
★売上高・・・47-49億ドル(市場予想は52.5億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.95-2.25ドル(市場予想は2.64ドル)
第1四半期売上高が予想を下回ったが、調整済みEPSは上回った。続く第2四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジはともに予想を下回った。
今後の株価見通し
不振決算を受け、株価は下落している。決算発表日は57.28ドルで引けたが、発表後の時間外取引では、51.50ドルレベルで推移した。当面底値模索の動きとなろう。