【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,157.58 △104.95 (11/3)
NASDAQ: 15,811.58 △161.98 (11/3)
1.概況
3日の米国市場は好決算を好感した買いで続伸となり、主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新しました。21ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、29ドル安で下げ渋るとプラスに転じ上げ幅を広げ昼過ぎに174ドル高まで上昇しました。その後伸び悩んだダウ平均ですが大きく押すことなく堅調に推移すると結局138ドル高の36,052ドルと4日続伸となり3日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も16ポイント高の4,630ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も53ポイント高の15,649ポイントと7日続伸となりこちらも4日連続で史上最高値を付けています。
昨日の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重姿勢を示したことから続伸となり、主要3指数が連日で史上最高値を更新しました。6ドル高でスタートしたダウ平均は利益確定の売りが出て直ぐにマイナスに転じると軟調に推移し午後に160ドル安まで下落しましたが、FOMCの結果発表を受けて持ち直し引けにかけて上げ幅を広げると結局104ドル高の36,157ドルと5日続伸となり4日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も29ポイント高の4,660ポイントとなり5日連続で史上最高値を更新したほか、ナスダック総合株価指数も161ポイント高の15,811ポイントと8日続伸となりこちらも5日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で現在の1200億ドル規模の資産購入額を11月から毎月150億ドルずつ減らすことを決めました。しかし、声明文にインフレ加速の要因は「一時的」との文言が残されたうえ、パウエル議長が記者会見で「今は利上げする時ではない」と繰り返し市場で高まっていた利上げの前倒し観測をけん制する姿勢を示しました。また、10月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は57万1000人増となり市場予想を上回りました。10月の米ISM非製造業景況感指数も66.7と1997年の調査開始以降で最高となり市場予想を上回っています。9月の米製造業受注も前月比0.2%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
3日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、素材が1%余り上昇したほか、不動産も1%近く上げました。一方でエネルギーと一般消費財・サービスの2業種が下げています。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや素材、生活必需品、ヘルスケアなどの8業種が上げ、一般消費財・サービスと素材が1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーと公益事業、資本財・サービスの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
3日の米国市場では新型コロナワクチンの需要拡大を受け通期の売上高の見通しを上方修正したファイザー(PFE)が4%余り上げました。スポーツ用品のアンダーアーマー(UAA)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで急伸し16%を超える上昇となりました。また、ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)とアムジェン(AMGN)が2%を超える上昇となっています。
昨日の米国市場では好決算を発表したドラッグストアチェーン大手のCVSヘルス(CVS)が5%以上上昇したほか、同業にも買いが波及しウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに配車サービスのリフト(LYFT)も決算で売上高などが市場予想を上回ったことで8%以上上昇しました。携帯通信大手のTモバイルUS(TMUS)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで5%を超える上昇となっています。また、取引終了後に決算を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)も決算が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。一方でレンタカーのエイビス・バジェット・グループ(CAR)が投資判断の引き下げを受けて16%以上下げています。
5.為替・金利等
3日の長期金利は変わらずの1.55%となりました。昨日の長期金利は0.05%高い1.60%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場で主要3指数が連日で史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)