今年の冬のボーナスも厳しかった・・・という方が多いことと思います。住宅ローンをボーナス併用払いにしていて支払が大変、といった話もよく耳にします。
入ってくるもの(月々の収入)の中で月々に発生する支払を完結させるというのは基本姿勢として、個人のマネー管理のあるべき姿といってもよいでしょう。国の予算のように、借金なくしては生き長らえないという状況に個人が陥ってしまうと大変なことになりますから。
年末に1年の総決算をされる方も多いと思いますが、その際にはキャッシュフローだけではなく、ストック(資産部分)を見直すことも大切です。
一般的に、生活費、住宅ローンなどの借入金返済分、子供の教育費そして投資資金など、お金を区別していらっしゃる場合が多いかと思います。そのほかに余剰資金として万が一のためのお金を普通預金などにしていらっしゃるケースもあるでしょう。
このうち「貯めてある資金」を見直してみることも必要です。
10年、20年後の子供の教育費、もっと先の老後資金、そして、なんとなく万が一のために普通預金に入れっぱなしの預金、などなど。すぐには必要ない、でも資産として膨らませておきたいお金、というものはないでしょうか?
こうした長期的に運用できる資金を確実に4~5%以上の年利で運用できるのであれば、問題ないのですが、例えば住宅ローンを年率3%で組んで利息を支払いつつ、片方で年率0.04%の普通預金にお金を寝かせていると、実質年率-2.96%で運用しているのと同じことになってしまいます。これではお金を膨らませているはずが、着実にマイナスにしてしまっているのと同じこと。
もし、こうしたお金があるのであれば、住宅ローンの一部繰上返済を利用してストックの見直しをし、来年以降のキャッシュフローの改善をしてみてはいかがでしょうか?
住宅ローンの繰上返済には二通りの方法があります。
・期間短縮型
・返済額軽減型
期間短縮型は、例えば20年ローンを10年に期間短縮するということで、10年分を繰上返済してしまうことになります。その間の利息をすべて削減できますので、総返済額を大きく減らす点が最大のメリットといえるでしょう。
ただし、月々の返済額は変わりありません。月々のキャッシュフローが厳しいと感じていらっしゃる方にご案内したいのは、もう一方の返済額軽減型です。
返済額軽減型は、その名の通り、月々の返済額を軽減する方法です。単純にこれまでと同比率で月々およびボーナス払い分を軽減化することも可能ですが、月々はそのままにボーナス払い分のみを軽減もしくは完済してしまう、という形にすることも可能です。
ローン期間は変わりませんが、総借入金額が減りますので、期間短縮型ほどではないまでも総支払利息(総返済額)の削減にもなります。そして何よりボーナス時期の負担をぐっと減らすことが可能となります。
いずれの繰上返済も総返済額削減効果は、ローン残存期間が長い方が効果がありますので、ぜひご確認くださいね。
本年もご愛読、どうもありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様、良いお年をお迎えください。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー