【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,490.69  ▼266.19 (10/27)
NASDAQ: 15,235.84  △0.12 (10/27)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はビザ(V)や景気敏感株の下げが重石となり反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の一角が堅調でわずかに続伸となりました。78ドル高でスタートしたダウ平均は前日終値を挟んで揉み合う展開となりましたが、まもなくして売りが優勢となり軟調に推移すると引けにかけて下げ幅を広げ結局266ドル安の35,490ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数も23ポイント安の4,551ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は0.1ポイント高の15,235ポイントとほぼ横ばいとなっています。

2.経済指標等

9月の米耐久財受注額は前月比0.4%減となりましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが3%近く下落したほか、金融と素材、資本財・サービスも1%以上下げています。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスの2業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではビザが7%近く下げ下落率トップとなり、1銘柄でダウ平均を100ドル余り押し下げました。決算で1株利益は市場予想を上回りましたが、10-12月期の純営業収益の増加率が伸び悩むとの見通しを示したことが嫌気されました。また、ダウ(DOW)も4%を超える下落となったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とスリーエム(MMM)、JPモルガン・チェース(JPM)も2%以上下げています。一方で市場予想を上回る決算を発表したマイクロソフト(MSFT)やマクドナルド(MCD)、コカ・コーラ(KO)が高く、マイクロソフトが4%を超える上昇となり上場来高値を更新し、マクドナルドも2%以上上げました。コカ・コーラも2%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高が市場予想を上回ったグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が5%近く上昇し上場来高値を更新しています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを受けて2%近く上げました。ツイッター(TWTR)は決算が市場予想を下回ったことで目標株価の引き下げが相次ぎ10%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い1.54%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか金融政策に変更はないとみられていますが本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)