東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。327円高の28,927円で寄り付いた日経平均は直後に293円高の28,893円までやや弱含んだ後切り返すと上げ幅を広げ10時20分過ぎに545円高の29,145円まで上昇すると500円高の29,100円で前場を終えました。
507円高の29,107円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに560円高の29,160円まで上昇するとその後も高値圏で推移し結局505円高の29,106円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
パナソニック(6752)が昨日に続いて大幅高となり年初来高値を更新しました。昨日は米アップル(AAPL)の電気自動車向けバッテリーの調達先としてパナソニックが新たな検討対象となっていると伝わったことで大きく上げましたが、本日はパナソニックの電池事業トップの只信一生氏が米テスラ(TSLA)から足元で高いレベルでの出荷を求められていると話したと伝わったことで5.6%高となりました。
NTT(9432)も5.4%高となりました。NTTドコモとNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアの3社が2022年1月に経営統合すると発表し、相乗効果として2025年度にNTT全体で2000億円超の利益を創出するとしたことで買いを集めました。川崎汽船(9107)も5.4%高となりました。新型コロナウイルス禍からの正常化に向けた経済活動が活発になっていることから4-9月期の経常利益が2300億円程度となり半期ベースで過去最高益となったと伝わったことが好感されました。
一方でキヤノンマーケティングジャパン(8060)が8.5%安となりました。第3四半期9ヶ月間の営業利益は前年同期比で30.8%増となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で16.2%減と減益に転じたことが嫌気されました。また、キヤノン電子(7739)も第3四半期9ヶ月間の営業利益が前年同期比で小幅な減益となったことで3.8%安となり、キヤノンマーケティングジャパンとキヤノン電子の下落を受けてキヤノン(7751)も3.9%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は505円高となりました。市場予想を上回る企業決算が続くとの期待から昨日の米国市場が上昇しダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことに加えて、31日投開票の衆院選で自民党が単独過半数を取れる見込みと伝わり衆院選の不透明感が後退したこともあり大幅高となりました。200日移動平均線(28,817円)を大きく上回り節目の29,000円も回復しましたが、29,000円を上回ってくると上値が重くなる傾向もみられるなかでさらに戻りを試すような展開が明日以降みられるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表がスタートしていますが本日も引け後に日立建機(6305)や日本電産(6594)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、26日の米国でもグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やツイッター(TWTR)、マイクロソフト(MSFT)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)