毎年12月になると、1年の総決算をしましょう!といった内容を書いているように思います。そうはいっても、まだほぼ1カ月残していますし、(あっという間に過ぎてしまうことは間違いありませんが・・・)「師走」の名のとおり慌ただしく、忙しくなる季節ですから、皆さんもご自身の1年をじっくりと振り返るのはもう少し先になってしまうことでしょう。
日本人とは対照的に、クリスマス休暇をとる欧米の市場参加者たちは、12月に入ったころからソワソワとポジション整理に入ってしまうケースが多いようです。彼らは12月の半ばからは休業状態に入ってしまうこともあり、また12月末決算のところも多いため、最後の悪あがきはせず、今年の収支をまとめてしまおうという人も多いのかもしれませんね。
それにしても今年も大きく相場が荒れた1年でした。(まだ終わっていませんが)現時点でまだ今年の収支をまとめたくはない!あきらめきれない!もうひと頑張りしておく必要がある!と考えていらっしゃる方も多いかと思います。ですが、市場は年の瀬となっても「明るい」「元気いっぱい」とは言えません。
今年をざっくりと振り返ってみますと・・・
昨年のリーマン・ショックの影響で、世界中が大変な状況からスタートした1年でした。世界の株式市場では3月を底に徐々に明るい指標等が確認され、立ち直りつつあるかと期待されつつある中で(日本株はずっと出遅れていましたが)、1年の終わりに近づいたときに水を差すような先日のドバイ・ショック。こちらは大きく後を引くことなく、今のところ(少なくとも先週は)反転してくれたように見えていますが、根本が解決したわけではないので、不安要素はまだまだありますよね。新興国に対する市場の見方が、「期待」から「不安」に偏ってしまったことも心配です。
「有事の金」が高値を更新しているのも気になるところですね。
また、日本では政権交代後、どうも市場は民主党を支持できないような様相。その上、再度の「デフレ宣言」。超低金利のままこの事態に向き合った日本では、金融政策で金利緩和は不可能、量的緩和しか方法がないという厳しい状態です。
書いているとあまり明るい材料がなく、ちょっと沈んでしまいますが、要は考えようですよね。これまでも個人投資家はぜひ投資を長い目で見ていただきたいと書いてきました。個人は年内、年度内に結果を出さなければいけない、ということはありません。
そうやって考えれば、株安は株式を安く仕入れられ、円高は外貨が安く買えるとき、ということです。(直近では戻してきていますが、長期で見たときの水準として)
毎週水曜日に行っているオンラインセミナー「チャット駆け込み寺」(
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G100/seminar/refuge_temple.htm )でも、毎週のように「年内
(もしくは年度内)の高値は?安値は?」という質問をいただきます。参考にされることはとても大切だと思いますし、目安をつけておくことは投資を行う上で重要ですが、ぜひこだわらず、焦らず長い目で相場と向き合っていただければ、と思います。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー