先週S&P500とダウ工業株価指数は史上最高値更新、残るはナスダック

米国株は上昇を継続中です。10月22日(金)、S&P500はザラ場中に4,560ポイントで史上最高値を更新しました。同日、ダウ工業株価指数は35,677ドルと引値ベースで史上最高値を更新して引けました。

残るは9月7日に15,403ドルで史上最高値を更新したナスダック総合指数だけです。10月22日(金)の引値は15,090ドルですから、史上最高値を更新するまで、あと2%です。

10月22日(金)の段階でダウ工業株価指数、S&P500、ナスダック総合指数とそれぞれ年初から16.6%、21.0%、17.0%の上げとなっています。

また、2021年は米ドル高のため、円建での3指数のリターンはそれぞれ、28.1%、33.0%、28.7%と「バイ・アンド・ホールド」をしている日本人の投資家にとっては申し分ないパフォーマンスの年となっています。

米国株が堅調な背景は?

米国株が堅調な理由は、第3四半期の好決算発表です。これまでのところ、S&P500採用銘柄のうち117社が決算発表を終えています。事前予想では前年同期比で30%の増益の予想でしたが、実際はこれまでのところ46%の増益と事前予想を大きく上回る結果となっています。

今回の決算発表前の9月には業績見通しの下方修正が起きたのを受け、市場の期待感が減ると同時に株価の調整もありました。そのため、現在のマーケットは株価が上がりやすい状況になっているのです。

今週の注目はGAFAMの決算発表

ダウ工業株価指数とS&P500が史上最高値を更新するなか、高値を更新していないのがナスダック総合指数です。

今週はS&P500社のうち166社の決算発表が行われる予定になっています。そのなかで最も注目されるのがGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)5銘柄の決算発表です。

業績について、主力商品に輸送を必要としないサービスを提供しているグーグルやフェイスブックについては、今問題となっているサプライチェーンの影響はないでしょう。一方、製品の販売を行っているアップル、アマゾンやマイクロソフトについては、ビジネスにサプライチェーンの影響が出ていると推測されます。しかし、それは織り込み済みと考えて良いでしょう。問題はマネジメントによる今後の見通しのガイダンスです。

現時点でGAFAM5銘柄はナスダック総合指数の時価総額の約35%を占めています。そういった意味でも、今週のGAFAM企業の決算発表がナスダック総合指数を史上最高値へリードしてくれるのかに期待したいところです。