東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに小幅反落となりました。米国株高を受けて25円高の29,093円で寄り付いた日経平均は直ぐにマイナスに転じると9時10分過ぎに118円安の28,950円まで下落した後切り返すと9時50分過ぎに75円高の29,144円まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり10時40分過ぎに144円安の28,924円まで下落し80円安の28,987円で前場を終えました。

79円安の28,989円でスタートした後場の日経平均は直後に97円安の28,970円まで下落した後持ち直すと結局43円安の29,025円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落した一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

WTIの原油先物価格が2014年10月下旬以来およそ7年ぶりの高値を付けたことから石油関連銘柄が高く資源開発大手のINPEX(1605)が4.9%高となり年初来高値を更新したほか、石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングス(5021)も3.4%高となりました。また、亜鉛の国際価格が高騰し14年ぶりの高値を付けたことから東邦亜鉛(5707)も15.1%高となり年初来高値を更新したうえ、銅価格の上昇を受けて三井金属鉱業(5706)も5.2%高となっています。

さらに米証券取引委員会(SEC)がビットコインで運用する初の上場投資信託(ETF)を許可するとの観測が強まりビットコインがおよそ半年ぶりに6万ドル台を回復したことで暗号資産交換業者に出資するセレス(3696)が5.1%高となっています。一方で串カツ田中ホールディングス(3547)が3.2%安となりました。新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が長期間発令され営業時間や酒類提供の制限で売り上げが低迷したことから第3四半期の営業損益が20億円の赤字となったことで大幅安となりました。

パーク24(4666)も一時3.8%安となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の動きが広がり駐車場やカーシェアの稼働減少につながったことで通期の営業損益の見通しを35億円の赤字から95億円の赤字へと下方修正したことが嫌気されました。さらに投資判断と目標株価の引き下げに反応したのがエムスリー(2413)とファンケル(4921)で、エムスリーが2.9%安、ファンケルも3.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は43円安となりました。先週末の米国市場が企業決算や市場予想を上回った米小売売上高を好感して続伸したことから小幅に上昇してスタートしましたが、伸び悩むと売りが優勢となりました。先週後半の2日間で920円以上上げ節目の29,000円を回復したこともあって一旦は利益確定の売りも出やすいといえますが、プラスを維持できなかったことで29,000円を超えたところでの上値の重さがやや意識されそうです。

なお、日本時間の11時に発表された中国の7-9月期の実質GDPは前年同期比4.9%増と4-6月期の7.9%増から伸び率が縮小し市場予想も下回りましたがマーケットへの影響は限定的でした。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)