ご存じの方もいらっしゃると思いますが、毎週水曜日(18:30~19:00)、「マネックス 『チャット駆け込み寺』」というオンライン・セミナーを行っています。(いつも観ていただいている方、ありがとうございます!)お客様からその場で書き込まれるチャットの質問に対して、マネックス・グループのエコノミストやストラテジストといった専門家が週替わりのコメンテーターとして登場し、共に回答していくというものです。
質問の内容は、相場のこと、経済のこと、投資手法のこと等々、初歩的なことから各コメンテーターの専門に関するかなりマニアックともいえる奥深い質問など多岐に渡ります。
そんな中で、こんな内容の質問を何度か目にしました。

「投資で負けてしまっているとき、どうやって気持ちを切り替えればよいでしょうか?」

相場を相手に投資を行うとき、必ず勝てる方法はありません。つまりどんな投資のプロでも「負け」の経験はあるものです。負ければ気分は良くないもの、それどころかその金額によっては落ち込んでしまって他のことに手がつかなくなってしまうこともあるでしょう。

投資は初心者でも簡単にできます。実際、「買う」「売る」だけなら誰でも簡単にできます。そして、現在のように低金利の時代においては、投資をしないことの方が、リスクが大きいとも言われます。
私自身、投資を行う人の裾野はもっともっと広がるべきだと思っていますし、そのために様々な活動をしています。同時に投資はいきあたりばったりで行ってはいけないという気持ちが大きいです。簡単に、ゲーム感覚で始めることはできるけれど、きちんと「知らない」と大きな失敗につながる可能性が高まってしまいます。
もちろん必要以上に難しく考えることはないと思いますが、背景(経済)や商品性、とくにリスクについては十分に認識、理解していかないと「負け」の経験をしたときに、誰かのせいにしてしまったり、二度と投資をしたくなくなってしまったり、最悪の場合はその「負け」が想像以上に大きくて下手をすると人生そのものが変わってしまうということもあり得ます。

さて、話を戻しましょう。投資で負けてしまっているときの気持ちの切り替え方というのは、メンタルに関する質問ですよね。
よく言われることは、「気にしないように楽しいことを考える」「さっさと手じまいをする」「しっかり寝て忘れるようにする」などなど負けに固執しないようにすること、もう一つ加えれば、「いったんその投資から距離をおく」というのもあります。
負けを取り返そうと焦った気持ちで同じ投資を繰り返して良い結果になったと聞いたことはありません。一度きれいに線を引く、「休むも相場」というのはプロのトレーダーも意識しているようです。
ただ、そうしたメンタルな管理が簡単にできるほど簡単なものではありませんし、だからこそこうした質問をいただくのだと思います。

そこで、メンタルな部分に左右されないためにも、まずは下記3つを前提としてあらためて見直し、行ってみてはいかがでしょう。

1.経済や投資の仕組み、商品のリスクなどを勉強していく
2.自分の性格、ライフスタイル、ライフプランにあった投資手法を選ぶ
3.損切りなどのルールを決めて投資をする

負けてしまったときにも、状況を納得できる、自身のライフプランにまで影響を及ぼすような負け方をしない商品選び、投資法ができている、ルールを決めているので、メンタルな部分に左右されずに損失も限定できる、となるはずですよね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー