米国企業の第3四半期決算発表、本番はこれから
米国では今週から第3四半期の決算発表が本格化し、今後1ヶ月のマーケットの方向性を決めることとなります。これまでのところでは、S&P500採用銘柄のうち、22社が決算発表を終えています。
事前予想では今期のEPS(1株当たり利益)は前年比28.4%増ですが、現時点は19%増という結果です。また、第2四半期では86%の企業が事前予想を上回りましたが、現時点では73%の企業が事前予想を上回っている状態です。もちろん決算は始まったばかりであり、本番はこれからです。
今週発表の大手金融銘柄の決算発表に注目
今週は大手金融銘柄の決算発表が集中しています。たいてい毎期、銀行セクターの決算発表の皮切りとなるのが今晩(10月13日)発表予定のJPモルガン(JPM)です。最初に発表を行うJPモルガンの決算がある意味、今期の銀行業界の決算の雰囲気を決めることとなります。
消費者や企業の融資に対する需要、証券部門のトレーディングの収益などが注目点となると思います。また、2021年はM&Aが活発ですので、M&Aに強いJPモルガンはその恩恵を受けるのではないかと考えています。
同社は過去4回の決算発表で、毎回事前予想を上回る発表をしたものの、その発表後には毎回株価が下落しています。S&P500は9月2日に史上最高値を更新した後、調整しています。それにもかかわらず、JPモルガン株は10月7日にも史上最高値を更新しています。つまり、決算発表後の株価の反応はその後の株価のパフォーマンスに影響がないようにみえます。
金利上昇というサポートの他、銀行株は自社株買いや増配といった積極的な株主還元策を行っています。ですので、今までのパターンが繰り返すのであれば、良い決算発表後に株価が下がったとしても心配することはないように思います。
10月14日(木)にはシティグループ(C)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)といった大手銀行、15日(金)には 投資銀行のゴールドマン・サックス(GS)の決算発表が予定されています。
デルタ航空はアナリスト予想通り黒字決算となるか
また本日(10月13日)は寄り付き前にデルタ航空(DAL)の決算発表が予定されています。コロナ禍において過去6期赤字だった同社が今回はアナリストの予想通り、黒字の決算を出せるかが注目点です。
米国の消費者動向、出張旅行の回復状況はどうなのでしょうか。また、サービス業で人件費が上昇していますが、航空業界にも影響が出ているのでしょうか。その辺りを確認したいところです。