【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,002.92  ▼323.54 (10/4)
NASDAQ: 14,255.49  ▼311.21 (10/4)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出たことや、中国恒大集団に関する不透明感や米連邦政府の債務上限問題も引き続き重石となり大幅反落となりました。13ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、83ドル高で伸び悩むとマイナスに転じ大きく下げ幅を広げ昼前には一時504ドル安まで下落しました。その後午後に入ってやや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局323ドル安の34,002ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も311ポイント安の14,255ポイントとなり2%を超える下落となっています。

2.経済指標等

8月の米製造業受注は前月比1.2%増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術とコミュニケーション・サービスが2%を超える下落となったほか、ヘルスケアと一般消費財・サービスも1%以上下げています。一方でエネルギーと公益事業、不動産の3業種が上げ、エネルギーと公益事業は1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ハイテク株に売りが出るなか偽情報対策などで不都合な調査結果を隠していたと元社員が告発したことでフェイスブック(FB)が5%近く下落したほか、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%近く下げました。また、アップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上下げたうえ、半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が5%近く下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%余り下げました。さらにメルク(MRK)が開発中の新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用を申請する方針を示したことでワクチンの需要縮小を警戒した売りが続きバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が4%を上回る下落となりました。一方でメルクは2%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。電気自動車のテスラ(TSLA)も7-9月期の出荷台数が市場予想を上回ったことで1%近く上げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.48%となりました。ドル円は110円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,000円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)