東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに反落となりました。日経平均は205円安の30,464円で寄り付くと徐々に下げ幅を広げ11時過ぎに322円安の30,347円まで下落しましたが、持ち直すと160円安の30,510円で前場を終えました。
156円安の30,513円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに200円安の30,469円まで下落した後13時10分過ぎに96円安の30,573円まで持ち直しましたが、その後やや下げ幅を広げると結局158円安の30,511円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
業績の回復を期待した買いが続き大手海運株が堅調で、川崎汽船(9107)が7.8%高となったほか、日本郵船(9101)が3.9%高、商船三井(9104)も3.0%高となり、3銘柄が揃って年初来高値を更新しました。美容家電のヤーマン(6630)も26.7%上昇しストップ高となりました。新型コロナウイルス禍でインターネットを通じた美顔器などの販売が好調だったうえ、店舗での売り上げも回復していることなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で75.8%増と大幅な増益となり、通期予想に対する進捗率が45.8%となったことで業績の上振れ期待が高まりました。
また、投資判断や目標株価の引き上げに反応し年初来高値を更新したのが日立造船(7004)と近鉄エクスプレス(9375)で、日立造船が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時6.4%高となり、近鉄エクスプレスも目標株価の引き上げを受けて4.3%高となりました。
一方でパーク24(4666)が7.9%安となりました。新型コロナウイルス禍で移動需要が減少し駐車場事業などが振るわなかったことなどから第3四半期の営業損益が99億円を超す赤字となったことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は158円安となりました。昨日の米国市場が景気敏感株に売りが出て下落となったことや、昨日に日経平均が年初来高値を更新し約31年ぶりの高値を付けた達成感もあって売りが優勢となりました。
しかし、急ピッチでの上昇が続き昨日時点での25日移動平均線との乖離率が7.6%まで開き、東証1部の騰落レシオも149%まで上昇するなど短期的な過熱感が高まっていたことからすると当然の調整で、節目の30,500円を割り込んだところでは押し目買いの動きもみられるなど底堅かったことから堅調な地合いは依然として維持しているといえそうです。
なお、日本時間の21時30分には9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されるほか、22時15分には8月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)