東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて9日ぶりに反落となりました。日経平均は222円安の29,959円で寄り付くと取引開始から30分弱で83円安の30,097円まで戻しましたが、30,100円を前に上値が押さえられると下げ幅をやや広げ139円安の30,041円で前場を終えました。

さらに下げ幅を広げ210円安の29,971円でスタートした後場の日経平均は13時50分過ぎに271円安の29,909円まで下落しましたが、引けにかけて戻すと結局173円安の30,008円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

自民党総裁選への出馬が予想され、これまで脱原発を主張してきた河野太郎規制改革担当相が原子力発電所の再稼働を容認する考えを示したことから電力株が高く、東京電力ホールディングス(9501)が11.0%高となったほか、関西電力(9503)が5.4%高、四国電力(9507)も7.6%高となりました。政府が新型コロナウイルス対策の行動制限の段階的緩和に関する基本方針でワクチン接種済みなどを条件に飲食店での酒類提供の解禁を検討すると伝わったことで串カツ田中ホールディングス(3547)や鳥貴族ホールディングス(3193)も高く、串カツ田中ホールディングスが5.7%高となり年初来高値を更新し、鳥貴族ホールディングスも4.3%高となりました。

アイモバイル(6535)も8.8%高となりました。2021年7月期の決算を発表し主力のふるさと納税事業「ふるなび」が好調に推移することなどから2022年7月期の営業利益が前期比で10.9%増となる見通しを公表したことで大幅高となりました。

半導体シリコンウエハー容器を手掛けるミライアル(4238)も17.6%高となり年初来高値を更新しました。半導体需要が引き続き旺盛で稼ぎ頭であるシリコンウエハー容器などが好調で上期の営業利益が前年同期比で60.7%増となったことが好感されました。一方で外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げたことでヤクルト本社(2267)が5.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は173円安となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスの感染拡大による景気回復の鈍化を警戒した売りで下落したことから売りが優勢となりました。昨日までの8日間で2,500円以上上げ、25日移動平均線との乖離率も7%台半ば近くまで広がり、東証1部の騰落レシオも125%となるなど短期的な過熱感が高まっていたことからすると当然の調整だといえますが、30,000円の大台を割り込んだところで押し目買いが入り下げ渋ると30,000円を引けで上回るなど底堅く、昨日までの堅調な地合いは引き続き維持しているといえそうです。

なお、日本時間の20時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)