東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続伸となりました。日経平均は98円安の27,690円で寄り付くと取引開始から5分で187円安の27,602円まで下落しましたが、切り返すと下げ幅を縮め10時10分過ぎにわずかにプラスに転じました。しかし、10円高の27,799円で伸び悩むと直ぐにマイナスとなり53円安の27,735円で前場を終えました。

2円安の27,787円でスタートした後場の日経平均は直後にプラスに転じると上げ幅を大きく広げました。14時40分過ぎに369円高の28,158円まで上昇した日経平均はその後引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局300円高の28,089円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

収益改善を期待した買いが昨日に続いて入り大手鉄鋼株と大手海運が堅調で、日本製鉄(5401)が3.7%高、JFEホールディングス(5411)が3.3%高となったほか、日本郵船(9101)が3.5%高、商船三井(9104)が3.2%高、川崎汽船(9107)が2.4%高となり、日本郵船と商船三井は昨日に続いて年初来高値を更新しています。

また、レーザーテック(6920)も昨日に続いて大幅高となり上場来高値を更新しました。昨日の米国市場でハイテク株が買われ主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新したことで7日続伸となり5.2%高となっています。ダイドーグループホールディングス(2590)も5.8%高となりました。自動販売機の設置台数が増え国内で飲料の販売が堅調だったことや、前年同期に計上していた投資有価証券の評価損や新型コロナウイルス関連の損失がなくなったことなどから上期の純利益が前年同期比で36.1%増となり通期予想に対する進捗率が68.1%となったことから大幅高となりました。

関西地盤の食品スーパーの関西スーパーマーケット(9919)が一時22.7%上昇しストップ高となる場面がありました。エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)が関西スーパーマーケットを買収し、傘下のスーパーと経営統合すると発表したことで買いを集めました。一方で中国のメディアやゲーム産業を管轄する国家新聞出版署が未成年者(18歳未満)によるネットゲーム利用を厳しく制限する方針を発表したことでネットゲーム関連株が安く、ネクソン(3659)が3.2%安、コーエーテクモホールディングス(3635)も3.7%安となり、ネクソンは年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は300円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が小幅に反落となった流れを受けて売りが先行しましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めると後場に入って買いが優勢となり上げ幅を広げました。

その結果、昨年の9月から先月まで続いた月末株安という流れを今月で止めることができたうえに、上げ幅を大きく広げ節目の28,000円をおよそ半月ぶりに回復したことから明日から始まる9月相場への期待が高まりそうです。なお、日本時間の22時45分には8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、23時には8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)