【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,960.69 ▼382.59 (8/18)
NASDAQ: 14,525.91 ▼130.27 (8/18)
1.概況
米国市場はFOMC議事要旨を受けて年内にテーパリング(量的緩和の縮小)が開始されるとの見方が強まり続落となりました。33ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、FOMC議事要旨の公表を午後に控え様子見ムードが強く13ドル高で上値が押さえられるとしばらくは小幅安で推移しました。しかし、午後に入ってFOMC議事要旨が公表されると急速に下げ幅を広げ結局382ドル安の34,960ドルと安値圏で取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も130ポイント安の14,525ポイントと3日続落となりました。
2.経済指標等
7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では大半の参加者がテーパリングの基準を年内に達成できるとみていることが分かりました。また、7月の米住宅着工件数は年率換算で前月比7.0%減の153万4000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、ヘルスケアと情報技術、生活必需品、金融、素材、資本財・サービス、不動産も1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はセールスフォース・ドットコム(CRM)とホーム・デポ(HD)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもシェブロン(CVX)が4%安となり下落率トップとなったほか、アップル(AAPL)とIBM(IBM)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、ホームセンターのロウズ(LOW)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し9%を超える上昇となっています。メディア大手のバイアコムCBS(VIAC)も投資判断の引き上げを受けて3%以上上げています。また、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で上昇となっています。一方で半導体やLEDのクリー(CREE)が決算で最終赤字が拡大したことで9%余り下げています。さらにディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も3%近く下げました。決算は市場予想を上回りましたが材料出尽くしで売りが優勢となりました。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.26%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を割り込んだところで押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)