今日は、東京は雨模様ですが、市場は嵐のような状況です。株式市場、為替市場(米ドル円、クロス円)ともに軒並み急落しています。
一般に株式であれ、投資信託であれ、「買う」ことから始める金融商品は、そのほとんどは市場に対して「買い持ち=ロング」となりますから、市場が上昇して初めて利益が出ます。例外として、株式の信用取引や先物・オプション取引のように「売り」ができる商品や、投資信託の「ベアファンド」のように市場が下落することで利益が出る商品もありますが・・・。
FX(為替保証金取引)の場合、信用取引などと同様にその商品性として、上昇時、下落時の双方向とも値動きがあるときはリターンを得るチャンスがあります。
ですから下落しているからといっても損している方ばかりではないのですが、「売り=ショート」にするには日々スワップポイントを支払うというコストもかかりますので、ロングにする方が多いのも事実です。(現在の金利情勢においては、対円で外貨を買い持ちにすればスワップポイントを受け取れます。)
上記のような下落相場で勝てる例外はもちろんあるものの、絶対数はいずれの商品も市場に対して「ロング」の方が多く、どうしてもこうした下げ相場になると、これまでの資産が大きく痛みますので、どんよりとした暗い雰囲気になってしまうものです。
月並みではありますが、こうした下げ相場の中で、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
1.下げ相場に強い商品をポートフォリオに加える
先日当社のサイトに掲載された下落相場に強い商品たち。上記のご案内です。http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2008/news809K.htm
2.比較的安定的な資産(債券など)の比率を上げる
世の中は、「投資から貯蓄へ」とリスク回避の傾向にあります。当社で定期 的にお取扱いしています「個人向けマネックス債」なども、その商品性は貯 蓄商品に近いものです。(今日現在はお取扱いがありません。)
3.急落しているときを前向きにとらえる
例えば日本株は、日本そのものが原因ではなく、米国発市場不安から来る動 揺売りで下落している部分も大きいです。
ユーロやオセアニア通貨も何年ぶりかの安値となってきています。
もちろんどの相場も、これからまだ下がる可能性も否めませんが、長い目で 見て、買い易い水準になっているとも考えられます。
4.負けている商品をいさぎよくロスカット、ポートフォリオの整理をする 個人の資産には限りがあります。1~3を行うにも、資金は無尽蔵ではあり ませんので、ポートフォリオを見直すには保有資産の整理も大切です。長期 的視点からすれば、負けているものを全てカットする必要はありませんが、 短期的につられて負けているだけのものと、回復見込みのないものというの は明らかに差があります。(個別銘柄を保有されている方は、特にご注意く ださい。)
見極めるのは難しいのは事実ですが、国、セクターといったマクロ的な視点 で見直すようにした上で、損を膨らませないことを念頭におくようにしてみ てください。
じっとしている、というのも一つの方法ではありますが、後で「あのとき、こうしておけば・・・」とならないためにも、下記のような順でポートフォリオの見直しをしてみてはいかがでしょう?
4 → 2、3、(リスクを理解している中・上級者の方は)1
「行動しなかったことの後悔」は悔しいものです。自分の資産と向き合う機会だと考えてみませんか?
廣澤 知子
マネックス証券
シニア・フィナンシャル・アドバイザー